内容説明
平安の都で不穏な怪事が相次いでいる。ものを盗らない謎の女盗賊の出没、妊婦が次々に腹をひきさかれ惨殺…。そんな中、安倍晴明と源博雅の2人は、顔にできた不気味な瘡に苦しむ平貞盛の元へ赴き、異様な光景を目の当たりにする。連続する怪異の真相と、その背後に蠢く邪悪な男の正体とは? ライバル・蘆屋道満、兄弟子・賀茂保憲といったお馴染みの顔に加え、藤原秀郷(俵藤太)も大活躍。さらにはあの、怨霊中の怨霊である“武将”が登場! 大人気シリーズ第8弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
176
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、第九巻 シリーズ最長編の前半です。百鬼夜行大戦という雰囲気でした。表題作の瀧夜叉姫はまだ登場しません。トータルの感想は下巻読了後に。続いて第十巻 「陰陽師 瀧夜叉姫 下」へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji 2019/05/17
KAZOO
119
再読なのですが、前回もあっという間に読んだせいか詳しいところまでは覚えていませんでした。平将門を復活させようとする陰謀での晴明や博雅あるいは道満、賀茂保憲、あるいは高僧など映画化すると楽しいのではないかと思われます。道満も敵味方につかずはなれずといった感じが面白いですね。2017/09/25
眠る山猫屋
60
再読。晴明がちょっと、思わせ振り?博雅が膨れてます。都に様々な怪異が続発する中、その被害者たちには共通の過去が。二十年近く昔、坂東で起きた平将門の争乱。上巻はその因縁語りに終始するが、最近読んだ北方先生の『絶海にあらず』の反対側で起きた反乱なので感慨もひとしお。将門を魔神に変えた(であろう)興世王って初めて聞いた(再読ですが)。平貞盛や好古などは共通の人物だが、俵藤太の漢っぷりが熱い。2019/09/05
るぴん
54
シリーズ8作目は、上下巻の大長編。都では怪しい事件が頻発。晴明や賀茂保憲らが調べていくうちに、それらが1つの大きな出来事に繋がっていく。そして背後には都を転覆させるほどの大きな陰謀が…。ぞくぞくするほど面白い‼︎バラバラだった事件が繋がっていくのも、20年前の因縁も、これぞ長編ミステリーの醍醐味という感じ。将門は哀れな人だったんだなぁ。道満の動向が気になるところだけど、敵になることはないのだろう。急いで下巻へ。/「博雅よ。覚悟をしておけ。どうやらおれたちは、かなり剣呑なことに巻き込まれているらしいからな」2020/05/01
tengen
41
シリーズ第8弾。妊婦が次々殺されるなど都では奇怪な出来事が起きていた。顔中にできた瘡に苦しむ平貞盛を訪れた晴明は一連の事件と合わせ20年前のある出来事の関連を感じる。20年前、東国における平氏一族の抗争を機に関東諸国を制覇し、遂には「新皇」を自称し、東国の独立をかかげた平将門。だが、朝敵として藤原秀郷(俵藤太)、平貞盛らにより討伐されてしまうのであった。☆彡 承平天慶の乱を陰陽師シリーズ風に怪しく描く上巻。瀧夜叉姫とは平将門の娘とされる伝説上の妖術使いの事だそうですが、明らかになるのは下巻からでしょうか。2018/02/08