ちくま新書<br> 世界政治4 ――大統領制と議院内閣制

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ちくま新書
世界政治4 ――大統領制と議院内閣制

  • ISBN:9784480077479

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内容説明

権威主義体制から
民主主義体制まで──

リーダーシップは
こんなに違う

世界各国の政治的指導者のリーダーシップを見ていくと、大統領制・議院内閣制といった公式的制度に大きな影響を受けていることがわかる。また政治的指導者は自らのパーソナリティに起因する言動を発しているだけでなく、各国の公式的および非公式的な制度によっても支えられていることがわかる。世界の様々な政治体制を比較し各国の固有の状況を描きつつ、近年の権威主義化、大統領制化の動きなどにも着目。世界のリーダーシップの現在を映し出し、今後の変化の行方を探る。

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【目次】
序章 大統領制と議院内閣制に注目する意味(岩崎正洋)

第1章 アメリカ大統領制の変容――厳格な権力分立制から生まれる「強い」大統領(梅川健)
1 アメリカの大統領制はどう規定されているのか
2 大統領制の歴史的発展
3 第二次トランプ政権における変化

第2章 執行権力優位のロシア大統領制(長谷川雄之)
1 世界政治の中のロシア
2 現代ロシアの統治機構――二〇二〇年という節目
3 ロシア大統領と補助機関――大統領府、安全保障会議、「力の省庁」

第3章 混乱が呼び、混乱を呼んだ首相ボリス・ジョンソン(高安健将)
1 議院内閣制下の首相
2 英国のEU離脱
3 危機に見舞われる首相
4 政権崩壊へ

第4章 フランス「大統領制化」は強い政治リーダーシップを生むのか(吉田徹)
1 「共和的君主」の誕生
2 「超大統領制化」へ
3 政治の融解と再編
4 フランス大統領の存在意義

第5章 ルーマニア半大統領制下のリーダーシップ(藤嶋亮)
1 半大統領制の流行
2 大統領の憲法上の権限
3 大統領の党派的権力
4 リーダーシップの局面
5 大統領のリーダーシップのあり方

第6章 韓国大統領制の逆説――強くも脆い権力者(安周永)
1 比較政治からみた韓国大統領制
2 エリート主導型の社会構造と韓国大統領
3 市民の政治参加と韓国大統領制の安定条件

第7章 トルコエルドアンのリーダーシップと制度――「一強」の作り方(岩坂将充)
1 政治的リーダーへの注目の増大
2 「一強」への出発点
3 「一強」の確立へ
4 「一強」は盤石か

第8章 シンガポール一党支配体制下での指導者選択(金丸裕志)
1 「大統領制化」時代の政治的リーダーシップ
2 シンガポール人民行動党の一党支配体制
3 高度に「システム化」されたリーダー選出過程
4 大統領制化の時代とシステム化されたリーダーシップ

第9章 ラテンアメリカ諸国における大統領任期の不安定化(磯田沙織)
1 不平等が生み出すカリスマ的指導者
2 大統領の任期が不安定化する制度的な背景
3 大統領のリーダーシップが国会のイニシアティブを凌駕する時
4 国会のイニシアティブが大統領のリーダーシップを凌駕する時――大統領弾劾

第10章 一党優位体制のタンザニアにおける大統領の変遷(粒良麻知子)
1 サハラ以南アフリカにおける多様な政治体制
2 タンザニアの大統領制と歴代大統領
3 近年のタンザニア政治
4 タンザニア政治の今後

コラム1 スウェーデンにおける政治的リーダーシップ(清水謙)
コラム2 ベルギー連立政権の謎(松尾秀哉)
コラム3 台湾総統のリーダーシップと党団協商制度(松本充豊)
コラム4 アルゼンチンの「変人」大統領と少数与党政権としての現実(菊池啓一)
コラム5 エルサルバドルの選挙DX(笛田千容)
コラム6 政治家よりも専門家?(井関竜也)

【各章・コラム執筆者】
梅川健 東京大学法学部教授
長谷川雄之 防衛省防衛研究所主任研究官
高安健将 早稲田大学教育・総合科学学術院教授、成蹊大学名誉教授
吉田徹 同志社大学政策学部教授
藤嶋亮 國學院大學法学部教授
安周永 龍谷大学政策学部教授
岩坂将充 北海学園大学法学部教授
金丸裕志 和洋女子大学国際学部教授
磯田沙織 神田外語大学外国語学部准教授
粒良麻知子 日本貿易振興機構アジア経済研究所副主任調査研究員
清水謙 東海大学政治経済学部特任講師
松本充豊 京都女子大学現代社会学部教授
菊池啓一 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任調査研究員
笛田千容 駒澤大学総合教育研究部准教授
井関竜也 東京大学社会科学研究所助教
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目次

序章 大統領制と議院内閣制に注目する意味 岩崎正洋/政治的リーダーシップへの注目/大統領制の特徴/議院内閣制の特徴/本書の構成/第1章 アメリカ大統領制の変容──厳格な権力分立制から生まれる「強い」大統領 梅川健/1 アメリカの大統領制はどう規定されているのか/合衆国憲法の歴史性/三権分立制の骨格/第二条の短さと憲法慣習/2 大統領制の歴史的発展/建国から一九世紀/ニューディールと協調的大統領制/リベラル・コンセンサスの終わり/ユニラテラルな大統領制へ/3 第二次トランプ政権における変化/緊急権──「例外」から「常用」へ/関税政策──緊急権と司法の歯止め/第2章 執行権力優位のロシア大統領制 長谷川雄之/1 世界政治の中のロシア/ウクライナ戦争勃発/「世界政治」のキープレイヤー/2 現代ロシアの統治機構──二〇二〇年という節目/「十月事件」と新憲法制定/エリツィン憲法からプーチン憲法へ/モスクワの中央省庁/3 ロシア大統領と補助機関──大統領府、安全保障会議、「力の省庁」/プーチン、大統領への道/プーチン長期政権と「シロヴィキ」/大統領府/安全保障会議/ウクライナ戦争下のロシア大統領/第3章 混乱が呼び、混乱を呼んだ首相 ボリス・ジョンソン 高安健将/1 議院内閣制下の首相/ボリス・ジョンソンという首相/首相への道/外務大臣への就任と辞任/2 英国のEU離脱/議会との対立/ジョンソン首相の離脱案/二〇一九年総選挙へ/3 危機に見舞われる首相/新型コロナ危機/生活費危機と難民危機/「グローバル・ブリテン」とロシアによるウクライナ侵略/4 政権崩壊へ/倫理観のない首相?/放逐される首相/第4章 フランス「大統領制化」は強い政治リーダーシップを生むのか 吉田徹/1 「共和的君主」の誕生/なぜ大統領に強力な権力が求められたのか/第五共和制の展開/2 「超大統領制化」へ/3 政治の融解と再編/「超大統領制化」がもたらしたもの/マクロン大統領の誕生/マクロン政権運営の行き詰まり/逆機能する超大統領制化/4 フランス大統領の存在意義/第5章 ルーマニア 半大統領制下のリーダーシップ 藤嶋 亮/1 半大統領制の流行/R・エルジーの定義/M・デュヴェルジェの定義/2 大統領の憲法上の権限/権限の領域と強弱/立法権限/内閣形成権限/執政権限/憲法上の役割と裁量の幅/3 大統領の党派的権力/理論的枠組み/歴代大統領の概観/議会多数派との関係と大統領政党/4 リーダーシップの局面/内閣の形成/レファレンダム/5 大統領のリーダーシップのあり方/能動的大統領とその限界/政治危機と超党派性の模索/第6章 韓国大統領制の逆説──強くも脆い権力者 安 周永/1 比較政治からみた韓国大統領制/韓国大統領の特殊性?/韓国大統領と政党システム/保守政党と大統領の関係/進歩政党と大統領の関係/2 エリート主導型の社会構造と韓国大統領/財閥中心の経済構造/「前官礼遇」の司法体制/主要メディアとニューメディアのせめぎあい/3 市民の政治参加と韓国大統領制の安定条件/民主主義の活力源としての市民参加/市民参加の二面性/安定的な大統領制の条件/第7章 トルコ エルドアンのリーダーシップと制度──「一強」の作り方 岩坂将充/1 政治的リーダーへの注目の増大/非制度的な権力集中の潮流/トルコにおける「一強」/トルコと政治の「大統領制化」/2 「一強」への出発点/二〇〇二年議会選挙と「民主化」/二〇〇七年大統領選挙をめぐる制度変更/二〇一一年議会選挙と非制度的な権力集中/3 「一強」の確立へ/二〇一三年抗議運動への対応と二〇一四年大統領選挙/制度変更の契機としての国家的危機/制度変更の実現とさらなる権力集中/4 「一強」は盤石か/第8章 シンガポール 一党支配体制下での指導者選択 金丸裕志/1 「大統領制化」時代の政治的リーダーシップ/2 シンガポール人民行動党の一党支配体制/議院内閣制のシンガポールにおける総選挙/シンガポールの選挙制度/政治的自由や市民的権利の制限/3 高度に「システム化」されたリーダー選出過程/第四代首相の選出を巡る紆余曲折/これまでの首相選出過程/PAPの新人議員候補者選出過程/高度にシステム化されたシンガポールの政治リーダー選出/4 大統領制化の時代とシステム化されたリーダーシップ/第9章 ラテンアメリカ諸国における大統領任期の不安定化 磯田沙織/1 不平等が生み出すカリスマ的指導者/2 大統領の任期が不安定化する制度的な背景/3 大統領のリーダーシップが国会のイニシアティブを凌駕する時──任期延長/再選制限をめぐる各国の動き/任期延長に成功した例──ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス/任期延長に失敗した例──ペルー、ボリビア/4 国会のイニシアティブが大統領のリーダーシップを凌駕する時──大統領弾劾/ペルーのめまぐるしい政権交代劇/深刻な経済危機や汚職疑惑を背景として──エクアドル、ブラジル、ベネズエラ、グアテマラ/仲間割れで自滅したパラグアイ/第10章 一党優位体制のタンザニアにおける大統領の変遷 粒良麻知子/1 サハラ以南アフリカにおける多様な政治体制/「第三の波」以降のアフリカ政治/一党優位体制の三カ国/2 タンザニアの大統領制と歴代大統領/タンザニア政治の概要/与党内の大統領候補選考/党内競争と汚職スキャンダル──キクウェテ政権期/二〇一五年マグフリ大統領就任/3 近年のタンザニア政治/二〇二一年のハッサン大統領就任/二〇二五年総選挙/タンザニア政治の現状/4 タンザニア政治の今後/コラム1 スウェーデンにおける政治的リーダーシップ 清水謙/コラム2 ベルギー連立政権の謎 松尾秀哉/コラム3 台湾総統のリーダーシップと党団協商制度 松本充豊/コラム4 アルゼンチンの「変人」大統領と少数与党政権としての現実 菊池啓一/コラム5 エルサルバドルの選挙DX 笛田千容/コラム6 政治家よりも専門家? 井関竜也/あとがき 岩崎正洋/編・執筆者紹介

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