内容説明
我ら日本人がどういう民族かを描いた極上のエンターテインメントです!――――鴻上尚史
司法、実業、報道、娯楽。たった七日間しかなかった昭和元年に生まれた四人の子どもは激動の戦後日本を生き抜き、それぞれの道で時代を創り上げる。昭和という時代そのものを克明に活写した超大作、感動のクライマックス!
竹田志郎は、東京大学法学部を卒業後、晴れて検事となる。戦後の発展のウラで苦しむ人々を救い、私腹を肥やすものを糺すべく、公害訴訟や政治汚職事件にひるまず立ち向かう。
矢野四郎は、自身の事業を成功させるとともに大物政治家にも可愛がられ、右翼の大物となる。やくざが淘汰されゆくなかでも国士である意志は一層強く、故郷・石川より衆院選に出馬する。
森村ノラは、GHQでの経験からAP通信の特派員となるが、その後「大日本テレビ」の女性記者に転職する。結婚し育児にも励みながら、ベトナム戦争の取材を敢行するなど、持ち前の活力で奔走する。
五十嵐満は、自身の芸能プロダクションを興す。気鋭バンドのプロモーション、プロレス興行への参入、世界的ミュージシャンの来日公演など、戦後大衆文化の中核を担う存在となる。
大河のごとき昭和史サーガ三部作、ここに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
654
懸念していた部分ではあったが、カバーする期間が長すぎるため、四人の章が一巡するたびに数年単位で時間が飛び、実際のエポックメイキングとなった事件や出来事をルーティンのように陳列していく中盤は、少し味気なさも感じた。刺されたり撃たれたりはあるものの、大枠では主人公四人とも順風満帆で、今でいう"勝ち組"、それも結構な大勝をしており、苦悩や困難がない点もあっさりして見える要因の一つ。欲をいえば四部作にしてもっとじっくり描いてほしかった気持ちもあるが、大作を読み終えた満足感で、今はじゅうぶんお腹いっぱい。2026/01/18
starbro
333
奥田 英朗は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。「普天を我が手に」全三部作、1,800頁弱完読しました。 激動の昭和史サーガ大河小説、読み応えはありましたが、最期にサプライズが欲しかった気がします。また実在の人物は、全て実名にした方が良かったと思います https://www.kodansha.co.jp/book/products/00004093072026/01/30
パトラッシュ
309
昭和史三部作の最終編は、戦争の重い枷が外れたため明るさが際立つ。死と隣り合わせの状況から解放された4人が検事、実業家、プロモーターにジャーナリストと望んだ仕事に邁進する姿は、日本にとって敗戦が逆に国を立て直す好機となったようだ。鬼畜米英と叫んでいた時代の最前線にいた彼らは、アメリカとの関わりを機に世に認められていく。昭和を彩った様々な人物が交錯し、あの時代が匂い立ってくるドラマ作りが面白い。全員が政治家となり昭和の終焉に立ち会う結末はご都合主義な感じもするが、激動の現代史をくぐり抜けた者への報奨に思えた。2026/02/01
タツ フカガワ
238
日本が高度経済成長期へ向かうなか、竹田志郎は検事に、矢野四郎は不動産業や運送業に進出してやがて国会議員となる。森村ノラは報道記者になり、五十嵐満はプロモーターとして飛躍する。安保闘争や東京五輪、赤軍のハイジャックなど、異なる分野で活躍する4人の目を通して語られる昭和史のドラマに読む手が止まらなかった。とくに終盤の表題に繋がる自民党総裁選は面白く、ジェフリー・アーチャーの『めざせダウニング街10番地』を想起。数年後、またじっくり読み直したい大河ドラマでした。2026/02/15
修一朗
227
いやぁ面白かった!今年のベスト候補だ。NHKの番組「映像の世紀」が好きなんだがその時代を奥田英朗が描くとこんな痛快で素晴らしい昭和サーガになるのだ。昭和元年に生まれ戦争の青年期を過ごした4人は持って生まれた才能とバイタリティーと出会いで道を切り開いていくのだ。4人とも昭和の傑物を彷彿させるキャラで構成されている。なかでも渡辺晋を彷彿させる満州を生き延びた五十嵐満の波乱万丈な生き方が強烈だった。振り返ると昭和はなんてまぁ激動の時代だったんだろうと思う。傑作ぞろいの奥田英朗作品の中でも傑作!2026/08/13
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