岩波現代文庫<br> 磔のロシア スターリンと芸術家たち

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岩波現代文庫
磔のロシア スターリンと芸術家たち

  • 著者名:亀山郁夫【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 岩波書店(2025/11発売)
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  • ISBN:9784006021788

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内容説明

ゴーリキー,ショスタコーヴィチ,マンデリシターム,エイゼンシテインら,スターリンによる大粛清の時代をかい潜った六人の作家や芸術家たちは,「独裁」といかに闘い,生き残り,死んだのか.かれらの秘められた事情とは何か.1990年代以降に公開された文献をもとにその真相に迫る,著者入魂の大佛次郎賞受賞作.

目次

はじめに
独裁者殺し――ブルガーコフ『バトゥーム』の世界
はじめに
1 スターリンからの電話
2 直訴状
3 動機
4 『バトゥーム』の世界
5 スターリン像の両義性
6 独裁者の思惑
エピローグ
恐怖という詩神――マンデリシタームのスターリン頌歌
はじめに――「隔離すべし,ただし保護せよ」
1 『クレムリンの山男』――その動機と波紋
2 現実との和解――「ヴォローネジ・ノート」より
3 『頌歌』――独裁者との和解
4 帰還,そして追放
エピローグ
鬱とテロル――マヤコフスキーの死と真実
はじめに
1 屹立する鬱
2 謀殺説の背景
3 死の入江
4 「栄光」のアイロニー
エピローグ
熱狂を見つめて――ゴーリキーはなぜ殺されたか
はじめに
1 ゴーリキーはなぜ帰還したか
2 「蜜月」の闘い
3 離反
4 最後の闘い
もう一つの仮説,そしてエピローグ
テロルと二枚舌――ショスタコーヴィチの闘い
はじめに
1 何が裁かれたのか――『ムツェンスク郡のマクベス夫人』の謎
2 時代背景といくつかの仮説
3 オペラと権力闘争
4 葬送とレクイエムの間に――交響曲第四番
5 「悪霊」へのまなざし――『プーシキンの詩による四つの歌曲(ロマンス)』
6 交響曲第五番――成立の背景
7 「革命」の意味するもの,または解釈学のフォークロア
エピローグ
衝突とカーニバル――エイゼンシテインにおける革命と権力の表象
はじめに
1 革命と暴力の表象――アトラクションのモンタージュ
2 信念の喪失
3 根源の亀裂
4 権力闘争そしてファシズムの嵐
5 『イワン雷帝』成立の背景
6 解釈――第二部フィナーレをどうとらえるか
7 『イワン雷帝』批判――その問題点
8 憂鬱なカーニバル
エピローグ
あとがき
来るべきスターリン学のためのささやかな里程
――岩波現代文庫版あとがきに代えて――
初出一覧
人物紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

37
暗鬱な読書だった。 僕が見出したのは、「二枚舌」によってしたたかに生き延びる芸術家たちの姿ではなく、絶対権力者の気まぐれに翻弄される彼らの「個の脆弱性」だった。 【「旧約の神」にも等しいその独裁者は、かつて詩人が、風刺の唾を吐きかけた相手でもある。いま、詩人は、その絶対者を前にしては、限りなくゼロに近い弱者でしかないが、それでも、完全に無力な姿をさらして生きているわけではない。詩人には、衰えることを知らない一つの稀有な力が授かっている。その力とは「二枚舌」である。】(「はじめに」)2022/03/09

tsubomi

9
2016.02.20-03.08:「終末と革命のロシア・ルネサンス」でロシア・アヴァンギャルドを取り上げた著者がスターリン粛正時代について書いたもの。マヤコフスキー、ゴーリキー、ショスタコーヴィチなど有名な人物がいかにしてその時代を乗り越えまたは乗り越えられなかったか、の詳細が語られます。実に恐ろしいのは、昨日まで体制側/権力者側だった人が今日には逆の立場になって逮捕・処刑されてしまうこと。そして誰も彼もがスパイであること。その徹底した作戦ぶりは「トゥルーマン・ショー」かというくらい。実に戦慄の時代。2016/03/08

どら猫さとっち

7
スターリンの独裁政権下で、彼らはどう生き抜いたのか。6人の作家や芸術家たちの苦闘と数奇な人生の書。そのなかに登場したショスタコーヴィチは、以前「ショスタコーヴィチとスターリン」で読んだし、マヤコフスキー、ブルガーゴフやエイゼンシテインは、著者がテレビ出演したNHKの番組で見ていたので、多少は記憶している。しかし、ゴーリキーは暗殺説があったのは、驚きだった。2019/06/04

1.3manen

6
磔は「はりつけ」というのは知らなかった。こんな漢字も知らなかった。ブハーリンのいう「社会主義とヒューマニズム」とは、「全面的な発展、多面的な(物質的にも「富裕な」)生活を願う心」であり、「最大限の発展の自由」がその尺度となるような社会の建設が目ざされるべき(177-8ページ)。諸個人の人間性が社会発展にどう関わるか、は経済体制問わず、社会にとって重要な視点といえよう。2002年初出、3・11直前の発刊であるが、「廃墟のなかでこそ、芸術と生活が、隣同士で仲良く呼吸することができる」(388ページ)。脱廃墟。2012/12/25

BATTARIA

5
メイエルホリドは処刑されたのに、なぜよりあからさまにスターリンをコケにしたマンデリシュタームは流刑止まりで、ショスタコービッチはスターリンにボロクソに言われたのに、なぜ逮捕すらされなかったのか、謎が解けた。スターリンといえども手を出せない聖域があったこと。そしてこれでもかってくらいに石橋を叩いても渡らない、慎重にも慎重を重ねたことが、スターリンが権力を死ぬまで維持できた秘訣だったわけか。ショスタコービッチの交響曲第5番で、木琴を演奏したことがあったが、この本を読んでいたら、大太鼓をやっていたものを。2018/07/20

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