内容説明
人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか――。
ニュース記事で知人女性による監禁・傷害事件を知った花。
彼女たちと疑似家族のように暮らした20年前の記憶が甦る。
本屋大賞ノミネート。読売文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よーよー
54
初めて読んだ川上未映子さんの作品だったが、冒頭から先が気になる展開の連続で、ページをめくる手が止まらなかった。 物語から漂う90年代末期の空気感がリアルに伝わってくる文章で、一気にその世界観に没入させられる。過酷な環境のなかで、必死に生き抜こうとする主人公たちの姿と、作中に出てくる「黄色」にまつわるエピソードが深く、そして切なく胸に響く。上巻の時点で圧倒的な熱量があり、すぐにでも下巻を読み進めたいと思わせる傑作だ。2026/06/18
あらたん
51
上巻は淡々と進んだ。火事で犯罪に手を染めていく?責任感が強いのが仇になる?下巻に続く。2026/01/27
みねね
49
漢字の開きかたとか、描写の仕かたとか、相変わらずチャレンジングだなぁと思う前編。内容についての感想は下巻でまとめるとして、ここではその他の雑感について。/わたくし率とか乳と卵とか、出自がそういうところだから、卒なくまとめるのはどうしても無理が生じるんじゃないかな。ヘヴンやすべて真夜中はかなり良かったけれども、かんじんな所で村上春樹の力を借りていたりして残念に思うところも多かった。川上未映子らしくかつ最もよくまとまっていたのが夏物語で、これを超えるために色々挑戦しているかんじが良かった。2026/02/16
カブ
43
ニュースで知った昔の知り合いの事件から、過去の記憶が甦る主人公の花。自分の知らない世界を見せてくれるのが小説なら、小説でよかった。そんな思いにさせてくれる展開に心が重くなるけど下巻も読む。2025/12/01
Shun
38
近年海外で注目度が上がってきている日本の女性作家ですが、川上未映子さんの作品もその中の一つ。私は本作で3冊目なのですが、本作のようなヤング×ノワールの作風は新鮮に映り新たな境地を拓いた一作のように思えます。内容こそ未成年の犯罪を描いていますが、緻密に描かれる少女の内面はやはり抜かりがない。むしろ貧困ゆえに犯罪に足を踏み入れてしまう未成年少女の逃げ場のない閉塞感や葛藤を描くのに犯罪というテーマは必要だったようです。序章で主人公はかつての知人女性が逮捕されたというニュースを目にし、過去と向き合う回想が始まる。2025/12/02




