内容説明
人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか――。
ニュース記事で知人女性による監禁・傷害事件を知った花。
彼女たちと疑似家族のように暮らした20年前の記憶が甦る。
本屋大賞ノミネート。読売文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
42
ニュースで知った昔の知り合いの事件から、過去の記憶が甦る主人公の花。自分の知らない世界を見せてくれるのが小説なら、小説でよかった。そんな思いにさせてくれる展開に心が重くなるけど下巻も読む。2025/12/01
Shun
36
近年海外で注目度が上がってきている日本の女性作家ですが、川上未映子さんの作品もその中の一つ。私は本作で3冊目なのですが、本作のようなヤング×ノワールの作風は新鮮に映り新たな境地を拓いた一作のように思えます。内容こそ未成年の犯罪を描いていますが、緻密に描かれる少女の内面はやはり抜かりがない。むしろ貧困ゆえに犯罪に足を踏み入れてしまう未成年少女の逃げ場のない閉塞感や葛藤を描くのに犯罪というテーマは必要だったようです。序章で主人公はかつての知人女性が逮捕されたというニュースを目にし、過去と向き合う回想が始まる。2025/12/02
ゆみのすけ
27
以前お世話になった知人の黄美子さんが事件を起こして捕まった。そこから、20年前黄美子さんと主人公の花の出会いから一緒に「れもん」で働いた日々の回想が続く。男に依存し、生活能力がない母親の元に生まれた花。彼女が助けを求めたのが黄美子さん。貧乏できつい生活だが、必死に働く花。黄美子さんと2人の仲間との何気ない日々は彼女にとって、かけがえのない初めての青春のような日々。でも、次々に不幸が襲いかかる。自分にできることを必死にしてきただけなのに、好転しない花の人生がやるせない。2025/12/14
Departure
21
バブル崩壊の余波が生活にも影響を及ぼし、阪神・淡路大震災やオウム事件の勃発により日本社会を不安や閉塞感が覆っていた。本格的に就職氷河期に突入した90年代後半、”キレる17歳”が社会問題になったのもこの頃だったろう。失われた10年。その片隅で彼女たちは生きていた。努力しても報われず、這い上がることもできないという諦観は、この時代が落とした影のようなものだ。同じ時代に青春を過ごした者として、彼女たちの健気さが胸に痛い。2025/12/02
むた
18
上巻を通して一歩間違えば転がり落ちてしまいそうな不安を感じる。詳しくは下巻にて。2025/12/13




