内容説明
17歳の夏、「黄色い家」に集った女たちの共同生活は、
ある死をきっかけに瓦解し……。
世界各国で翻訳刊行中!
孤独な少女の闘いを渾身の力で描ききった最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あらたん
54
読了直後の感想は「ロストジェネレーションの救われない物語」。花の中ではれもんと黄色い家での思い出が、長年の濾過と黄美子さんや映水さんへの謝罪を経て良い思い出に昇華できたようで良かった。2026/01/31
カブ
45
上巻からの勢いのまま読んでしまった。途中で読むのをやめたくなるような苦しさがあった。今はこれじゃないんだよなぁ~と思いつつ、読み始めたら途中で辞めることができない。花ちゃんの焦燥に飲み込まれそうで怖い。2025/12/09
みねね
42
やっぱり構成だよなぁ。章ごとの展開は惹き込まれるものがあるが、全体を通すとそのバランスの悪さが際立ってしまう。全体を通して小説として一番上手くいっていたと感じたのはトロスケとの邂逅で、花の変わらない(変えられない)部分と、変わってしまった部分(それもトロスケの口から言わせるのが上手い)の描写が非常に良かった。/花のキャラクタが非常に分かりづらいのが、本作、というか川上未映子の、描写の妙なんだろうな。矛盾した2つの要素を両方極端に持っていて、そんなイメージしづらいキャラだからこそ、よりリアルに人間を感じる。2026/02/21
Shun
39
乱れた家庭環境で育った花は幼少期の窮乏から誰よりもお金を稼ぐ気持ちが強く、同様に訳ありの環境から家出状態の友達二人とそして自分を保護してくれた年上の女性・黄美子と共に共同生活を始める。意気投合した女四人の生活は初めは楽しく、同じスナックで働く生き方も充実しているようだった。しかし訳ありという境遇ゆえか順風満帆に見えた生活に不運な事故や詐欺にあった母親の登場で物語は忽ち暗雲に見舞われ、花は焦燥感から一線を越えた行動を起こしてしまう。幸せや金運を黄色に願った少女のやる場のない叫びに胸が張り裂けるようだった。2025/12/02
mocha
27
貧しく生まれた者が豊かになるにはどうすればよいのだろう。より良い未来のために、仲間と幸せに暮らすために、主人公「花」はなりふり構わず仕事をこなし、どんどん深みにはまっていく。裏社会を生きるヴィヴィアンは「花」に稼ぎ方を教える神であり奈落に突き落とす鬼でもあり、冷酷なだけではない部分に弱さと危うさも見える。「考えないものは幸せだ」と彼女は言う。それは”考えることができないもの”か、”考えることを放棄したもの”か。何が正しくて、何が正しくないのか。我々は「花」とともに疾走し、苦しみ、もがく。一気読み必至。2026/04/05




