内容説明
渡良瀬川の河川敷で相次いで発生した死体遺棄事件。十年前の未解決連続殺人事件の手口に、悔恨を繰り返すまいと群馬・栃木両県警は必死の捜査を続け、三人の容疑者のうち一人について事件との関連が強く疑われる事実が判明する。しかし、ほか二人の容疑者の周辺にも怪しい動きが……。容疑者の恋人、独自に動く元刑事、被害者遺族――人々の想いの果てに見える真実とは。人間の業と情を抉る無上の群像劇×緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説。下巻。
目次
第六章 決断
第七章 沈黙
第八章 決壊
終章 残響
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
53
結末を早く知りたくて下巻も一気読みだった。実際捜査に当たる両県警の刑事達以外に、十年前の事件捜査にあたった元刑事の滝本、自ら犯人を捜し続けていた被害者の父の松岡、さらに若い新聞記者の千野と犯罪心理学者の篠田という四人が登場したが、その中には読んでいてイライラするような捜査の邪魔をしたり、一方で警察にはできないことで捜査に協力したりと“いい味”を出していた。それに対する刑事達と“個性的な”容疑者との直接対決も興味深く、最後の最後にたどり着いた結末は長編に相応しい内容であり、改めて警察小説の面白さを感じた。2026/01/04
もえ
40
警察の地道な捜査で、三人の容疑者のうち一人の人物の犯行が濃厚になる。ついに逮捕に踏み切るが…。十年前に娘を殺され執念深く犯人を追う父親や、粘り強く取材を続ける新米女性記者、体を張って捜査する退職した刑事、容疑者に惚れたスナックのママ等、周辺の人物の存在感が際立っており、心情もリアルに描かれ、最後まで飽きさせない筆力は見事だ。大企業の工場誘致で出稼ぎ外国人も多い北関東という地域の特色もよく出ている。事件の真相にはそう来たかーと思ったが、動機も曖昧で、本当に大変なのはこれから行われる裁判なのかもしれない。2025/12/24
Shun
40
上下巻の大ボリュームでも一気読み必至。警察が追いかける重要参考人物は主に3人存在し、またそれぞれに関わる様々な人物、それらがそれぞれの思惑で行動し関連が無いと思われていた断片がやがて一つの大きな流れへと合流し繋がる、まさにここにミステリの醍醐味を感じさせる魅力があった。過去の未解決事件という汚点がベテラン刑事たちの焦燥を誘い、いざリベンジと燃える経験豊富な刑事たち。そして当時はまだ社会に出ていない一市民だった若く有望な刑事たちが加わり細い糸を確かに手繰り寄せていく感覚は読んでいて手に汗握る体験でした。2025/11/08
カブ
36
下巻では、ストーリーがテンポよく展開し面白さが一気に増した。面白かった。2025/11/23
まーみーよー
21
いやー、そうきたか!という終盤。終章はやや駆け足の感じもしたが、読み応えがあった。容疑者含めどの登場人物も特徴がはっきりとしていて個性がある。特に気になったのは犯罪被害者の家族のお父さん。地元の警察には腫れ物を触る扱いなのにどんどん首を突っ込んでいくところが逆に悲壮感がでていた。奥田さんの作風は多彩だなあ。2026/01/18




