内容説明
ミステリ作家たちが工夫を凝らし、読者と頭脳戦を繰り広げる犯人当て小説。その傑作の数々から“読者への挑戦”ものを中心に精選し、全3巻のアンソロジーに集成した。第2巻には長屋のご隠居が掛軸泥棒を見抜く仁木悦子「横丁の名探偵」、恩人の息子捜しが殺人事件に発展する巽昌章「埋もれた悪意」、犯人当て短篇を作中に織り込んだ今邑彩「時鐘(とけい)館の殺人」など全7篇を収録。大胆にして緻密な仕掛けを操り、それぞれのスタイルで意表を突く作品群に、あなたは何度も驚かされるはず。達人の騙りに翻弄される愉しさを存分に味わってください。/【目次】序文=福井健太/「横丁の名探偵」仁木悦子/「アリバイ不成立」石沢英太郎/「埋もれた悪意」巽昌章/「ダイヤル7」泡坂妻夫/「聖バレンタインデーの殺人」岡嶋二人/「ひとりじゃ死ねない」中西智明/「時鐘(とけい)館の殺人」今邑 彩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
22
『横丁の名探偵』著者の柔らかいユーモアが落語形式と合ってる。何気に手掛かりはしっかり。『アリバイ不成立』厳密には犯人当てとしては弱いがミスリードの散らしが効いてる。『埋もれた悪意』選択肢を限定させる巧さが犯人の意外性を生む良い切れ味。『ダイヤル7』手掛かりが現代では分かりにくいのが難。アンフェアとは言わせない稚気ある仕掛け。『聖バレンタインデーの殺人』ショートショートで込み入った事やるなぁ。『ひとりじゃ死ねない』モノローグの企みを暴く手掛かりを何てあからさまに出してくるんだ。2025/12/24
だるま
14
犯人当て小説傑作選3分冊の内の2冊目。第1弾より新しい作品群になっていて、時代的には「新本格」出現のやや前あたりか。巽さんと中西さんのは大学のサークルで同人誌に書いた作品。私は両方既読だったが、学生の作とは思えないプロ顔負けの見事な犯人当てだった。巽さんは後々評論家になってしまわれたけど、作家の道を選んで欲しかったな。「ダイヤル7」も既読で、泡坂さんの短編ベストスリーに入ると思う。騙し方が職人芸そのもの。未読作の中では今邑彩さんが抜群だった。第3弾は綾辻、有栖川、法月の3氏と、最近の本格派新鋭の共演かな?2026/01/17
小梅さん。
10
自分で犯人を推理するのは苦手だけど、こういうスタイルの小説は好き。 今回のアンソロも、どれも面白かった。 まさに、帯にあるとおり、「貴方も必ず騙される」 落語調の仁木悦子さん、亜愛一郎シリーズの泡坂妻夫さんにと豪華ラインナップも嬉しい。 特に、泡坂作品にはのけぞった。まじかーー。 ということで、『ダイヤル7』が収録の『ダイヤル7をまわす時』を引っ張り出して読み始めることに。2026/01/09
ナオ
6
犯人当て小説傑作選。で、仁木悦子の名前があったので購入。時代物で会話劇だった。新鮮だったけど、短か過ぎ。犯人当てクイズだったらこれくらいが手頃だったのかな。 他の方の作品はもっと長いのもあるのに。仁木さんって他にどこかで時代小説書いてたりするのかなーと思ったり。個人的に泡坂妻夫さんが懐かしく、長編読みたくなりました。 初読みの中西智明さんの作品が印象に残りました。犯人、甘えん坊すぎなんじゃないかなー。2025/12/08
Inzaghico (Etsuko Oshita)
6
巽昌幸の「埋もれた悪意」は、あとから言われれば、たしかにそうだよなあ、と己の迂闊さを恥じはするが、「それって揚げ足とじゃね?」と、ついつい言い返したくもなる。そうなるくらい、きれいにやられました。京大推理研究会の犯人当て朗読会のテキストとして書かれたものだが、兄弟推理研究会史上一、二を争う初期の傑作と有栖川有栖が太鼓判を押している。 今邑彩の「時鐘館の殺人」は、解答を読者からの反論で、また別の解答でひっくり返すという荒業をやってのけた。ユーモアもあって面白かった。2025/12/07
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