内容説明
ミステリ作家たちが工夫を凝らし、読者と頭脳戦を繰り広げる犯人当て小説。その傑作の数々から“読者への挑戦”ものを中心に精選し、全3巻のアンソロジーに集成した。第2巻には長屋のご隠居が掛軸泥棒を見抜く仁木悦子「横丁の名探偵」、恩人の息子捜しが殺人事件に発展する巽昌章「埋もれた悪意」、犯人当て短篇を作中に織り込んだ今邑彩「時鐘(とけい)館の殺人」など全7篇を収録。大胆にして緻密な仕掛けを操り、それぞれのスタイルで意表を突く作品群に、あなたは何度も驚かされるはず。達人の騙りに翻弄される愉しさを存分に味わってください。/【目次】序文=福井健太/「横丁の名探偵」仁木悦子/「アリバイ不成立」石沢英太郎/「埋もれた悪意」巽昌章/「ダイヤル7」泡坂妻夫/「聖バレンタインデーの殺人」岡嶋二人/「ひとりじゃ死ねない」中西智明/「時鐘(とけい)館の殺人」今邑 彩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
23
『横丁の名探偵』著者の柔らかいユーモアが落語形式と合ってる。何気に手掛かりはしっかり。『アリバイ不成立』厳密には犯人当てとしては弱いがミスリードの散らしが効いてる。『埋もれた悪意』選択肢を限定させる巧さが犯人の意外性を生む良い切れ味。『ダイヤル7』手掛かりが現代では分かりにくいのが難。アンフェアとは言わせない稚気ある仕掛け。『聖バレンタインデーの殺人』ショートショートで込み入った事やるなぁ。『ひとりじゃ死ねない』モノローグの企みを暴く手掛かりを何てあからさまに出してくるんだ。2025/12/24
だるま
17
犯人当て小説傑作選3分冊の内の2冊目。第1弾より新しい作品群になっていて、時代的には「新本格」出現のやや前あたりか。巽さんと中西さんのは大学のサークルで同人誌に書いた作品。私は両方既読だったが、学生の作とは思えないプロ顔負けの見事な犯人当てだった。巽さんは後々評論家になってしまわれたけど、作家の道を選んで欲しかったな。「ダイヤル7」も既読で、泡坂さんの短編ベストスリーに入ると思う。騙し方が職人芸そのもの。未読作の中では今邑彩さんが抜群だった。第3弾は綾辻、有栖川、法月の3氏と、最近の本格派新鋭の共演かな?2026/01/17
小梅さん。
11
自分で犯人を推理するのは苦手だけど、こういうスタイルの小説は好き。 今回のアンソロも、どれも面白かった。 まさに、帯にあるとおり、「貴方も必ず騙される」 落語調の仁木悦子さん、亜愛一郎シリーズの泡坂妻夫さんにと豪華ラインナップも嬉しい。 特に、泡坂作品にはのけぞった。まじかーー。 ということで、『ダイヤル7』が収録の『ダイヤル7をまわす時』を引っ張り出して読み始めることに。2026/01/09
pulp
10
80年代~90年代の作品のほうが、それ以前の作品よりも、その時代がわかる分、古さを感じてしまうのは、まあ、”あるある”なのかな? 今邑彩さんは中公文庫で出てかなり再評価されたよな。ぎりぎりご存命中だったのかな。2026/01/25
harukawani
6
犯人当てにそれほど惹かれないのは、推理しながら読むということをしないからなんだけど、読んでみたら面白い作品ばかり。相変わらず推理はしませんでしたが。作品の並びが、シンプルな犯人当てから捻りのあるものまでグラデーションになっているようで読みやすい。今邑彩『時鐘館の殺人』がマイベスト。前代未聞(?)の読者からの挑戦状や二重三重の捻りがユーモラスでもあり素敵。『ダイヤル7』もさすが泡坂妻夫な出来栄え。『埋もれた悪意』『ひとりじゃ死なない』も見事な仕掛けのある良作。2026/01/01




