内容説明
濱地健三郎には鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の刑事も秘かに足を運ぶほどだ。旅先で依頼人を一目惚れさせた、黒猫のぬいぐるみを連れた美女の悲しい真実。いるはずのない存在に頭を抱える刑事のため、濱地が推理した霊の目的。ベテランの拝み屋から頼まれた、洋館で人を襲う危険な霊との対決。濱地と助手のコンビが、スリルに満ちた捜査の先に、驚くべき真相を解き明かしていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
122
心霊探偵シリーズ4の一冊。今までで一番良かった気がする。いつにも増してダンディ濱地健三郎の落ち着き感がせつない真相とマッチしていたからかな。初っ端から江戸川乱歩のあの有名作を思わせる旅先での儚く淡い哀しみがしっとりと読ませてくれて良かった。どれも"なぜ⁇"の霧が濱地探偵によって晴らされると、あぁ…と納得の吐息。怪異にもきちんとした理由があるんだよね。それを優しく掘り起こして、無理矢理ではなくごく自然に埋葬する仕事ぶりに惚れ惚れ。助手のユリエも頼もしく思えてきたけれど、もちろんボスには敵わない。ボス、最高。2025/11/02
サンダーバード@読メ野鳥の会・隊鳥
75
(2025-170)【図書館本-112】心霊探偵シリーズ第4弾。南新宿で心霊現象専門の探偵事務所を営む濱地健三郎。彼の元に依頼される7つの不思議な現象。冒頭のの「黒猫と旅する女」は江戸川乱歩の「押絵と旅する男」をモチーフにした短編。オリジナルも読んでみたくなる。心霊ミステリーとあるが、謎解きの要素は薄めでどちらかというとオカルト色が強い。たまにはこういう変化球も面白い。★★★+2025/11/03
雪紫
63
今までより霊そのものが身近になったせいかミステリはあるものの(ラストはやばかったし)、何処かハートフルな展開多めでほっこり。ユリエと叡二は親友以上恋人未満の関係を互いに楽しんでるようで微笑ましい。好みは「黒猫」「ある崩壊」「湯船」「目撃」「怪奇」。2026/01/24
がらくたどん
62
幽霊の心残りがいつも「恨めしや~」とは限らない。自分でもよく分からない立ち去りがたさ、無邪気な未練、しみじみ味わうこの世の余韻、これから向かう先への不安でこの世にしがみついちゃう事だってあるかもしれない。新宿のとあるオフィスに居を構える心霊探偵濱地健三郎の事件簿も本作でもう4巻。霊と向き合いその真意を解いて逝くべき場所へと送り出す。今作はことさらに霊たちの切ない思いが沁みてくる。いや、まあね。現の我らには「怪異」なのだけれど。ちょっと乱暴なのも居るのだけれど。旅立つ瞬間は彼らの温もりが一粒残る。善き7編。2026/04/01
aquamarine
58
鋭い推理力と幽霊を視る能力がある探偵・濱地健三郎と、特技を活かして探偵が視たものを絵に描き留めることのできる助手・ユリエのシリーズ4作目。今回はユリエが視える人として濱地を支えるようになってきているのが印象的。といっても、自分の力を過信するとろくなことにはならないが。短編6つはそれぞれ違ったアプローチをされていて、危険と隣り合わせで心配するものもあれば穏やかに進むものもあり、その緩急も含めて楽しめる一冊だった。好みは心霊探偵ならではの事件解決「ある崩壊」、ちょっとほっこりしてしまった「湯船に浮かぶ背中」。2025/11/12
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