内容説明
2008年。東京で働く貴樹は、人と深く関わらず、閉じた日々を送っていた。30歳を前にして、貴樹は自分の一部が、遠い時間に取り残されたままだと気づきはじめる。そんな時にふと胸に浮かぶのは、色褪せない風景と、小学生の頃に出会い、心を通わせた明里との約束の日の予感だったーー。18年という時を、異なる速さで歩んだ二人が、ひとつの記憶の場所へと向かっていく。脚本家が自ら執筆した、劇場用実写映画の小説版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
47
実写映画のノベライズ版。言葉が正しく届かないなら、いっそ黙っていればと雑談が苦手で人とコミュニケーションがうまく取れない青年が、小学生の頃の淡い思い出と約束から、大切な人へ言葉として伝える難しさと大切さを思い出させてくれる作品だった。2025/09/22
たーさん💎💎
38
映画のノベライズ本。 映画行く前に半分読んで、映画見終わってから半分読みました。原作を膨らませた感じ。映画を観てから半分読み終えたので映画の情景を思い浮かべながら読みました。読んだらまた映画観に行きたくなった🌸きっと貴樹くんは大丈夫🌸2025/10/17
yuji
11
アニメも原作も読まず、映画の予告を観て、それだけで切ない気持ちがこみ上げてくる、これは観なければ。今日映画館で泣きました。小学生時代の思い出の描き方が切ないほど大人になった貴樹がその思い出から抜け出せないコントラストが映画の重要な役割になる。そのくらい子役の演技がよかった。約束の場所に明里はいなかったが、約束の日にプラネタリウムに来ていたこと。彼女の言葉を館長から聞いたとききっと彼女に違いない。あの日に聞いた大切な言葉を思い出した。貴樹君はきっと大丈夫。ハッピーエンドではないけど清々しい気持ちになった。2025/10/12
END
7
映像では表現出来ないものを文章で補完。場面ごとの繋がりはスムーズになっていて物語が入ってきやすい。序盤の恋人との関係をよりしっかりと描かれているので最後のシーンの重要性が増した気がした。思っていた以上にいい物語になっていた。自分の思い出とも重なる部分が多いのもひとつの要因だったと思う。読んで良かったな。でも映画を観てからじゃないとこの気持ちは味わえないと思う。2つでひとつの作品。2025/10/17
MoriTomo
7
劇場アニメ『秒速5センチメートル』の実写映画ノベライズであり、大人になった貴樹の視点から物語を深く掘り下げていく構成が印象的でした。 原作あってこその補完描写が多く、繊細な感情の流れを味わえる内容となっており、主人公が30代手前のプログラマーという設定に、現代社会の苦しさを重ねて共感し、登場人物たちとの関わりや言動にも惹き込まれ、随所の展開で泣かされました。2025/10/16




