内容説明
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時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり……。梨木香歩の傑作小説を巨匠・近藤ようこが漫画化。上巻。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
91
梨木香歩の家守綺譚の漫画化。近藤ようこ画。近藤聡乃と勘違いして購入した。それでも良い。漫画は原作に忠実で、小説の独特な世界観と簡素なマンガの雰囲気がマッチしている。久しぶりに高堂の素っ気ない態度と和尚の人を食った物言いとゴローの賢しさを懐かしく堪能しました。下巻も楽しみ。冬虫夏草も漫画化されないかな。2025/12/21
chimako
66
大好きな大好きな『家守綺譚』の漫画。近藤さんの絵もこの世界観にぴったりで素晴らしい。小説で初めて『家守綺譚』を読んだときの事を思い出す。えもいわれぬ読後感で綿貫も高堂もゴローもおかみさんも好きになった。ゴローがやっと帰ってきたときの嬉しさも思い出した。その雰囲気を壊すことなく、温かい筆で登場人物を見られる幸せ。綿貫と高堂の間柄も、ゴローやおかみさんとの関わりも嫌みなく楽しめるのは近藤さんの絵によるところも大きいね。これは小説とともに自分の本棚に置きたい。下巻も楽しみです。2025/12/03
ネギっ子gen
63
【季節の営みのまことに律儀なことは、時にこの世で唯一信頼に足るもののように思える】心の滋養になる梨木世界を見事に漫画化。明治の世、亡友・高堂の家の「家守」として暮らすことに――。『波』に連載。縁側(の下は池)で釣りをする征四郎は、<湖から疏水を通って鮎がやってくる>と。そこから回想へ。<この間の朝などはサギがじっと魚を狙っていた。感心なものだ。上空からこの池に見当をつけて降りて来たのだな>と思いながら掛軸を見ると、そこに描かれていたサギがいない。と思う間に掛軸へ戻っていて、<面妖なこともあるものだ>と。⇒2026/09/26
がらくたどん
59
買うと安心して長らく放置してしまう本はいくらでもあるが(堂々と言うことではない!)、勇んで手元に置いたのにかえって気後れして読めなくなる本もある。私の場合は気に入って頭の中に自分なりの景色がしっかり出来てしまった物語とか。これもそうだったのだが。理解できなくてもそこに在るなら、それは「在る」ことが世界から許されているのだろう。『家守奇譚』は元々がそんな余白を愛おしむ物語だ。誠実に丹念に原作のテキストを拾い作品の景色を描き起こしながら「描いたのはほんの一部です」という雰囲気をずっと漂わせているのが凄い。逸品2026/09/26
天の川
59
近藤ようこさんの絵が本当にピタリとはまる。彼岸と此岸をするりと抜ける不思議な空間がごく自然にそこにある…誰もがそれを受容しているのだ。梨木さんの小説もとても好きだけれど、近藤さんの作品としてもとても美しい。亡き友の家の家守となった綿貫の元に訪れる友の高堂や和尚(?)、河童…。可愛い犬のゴローもどこかに通じているようで。明治時代、万物に精霊が宿ることが当たり前として許容された最後の時代なのかもしれないと思った。2025/10/17
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