内容説明
ドクター・ヘリで搬送された救急患者を迎えた北条衛は、執刀医として腹腔鏡手術に挑む。研修医のゆめは初めての帝王切開に震え、海崎と明日香、ふたりの天才はオペ室で火花を散らす。そして師走、三枝教授が最も大切にする大忘年会の日が訪れた。だが、当日の病院では緊急事態が。伊豆半島の母子の命を守り続けてきた、医師、助産師、看護師たち。彼らが踏み出した新たな一歩を描く、第3弾。(解説・松井ゆかり)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ@低飛行中⤵️🏥
82
総合周産期母子医療センターを抱える天渓大学医学部附属伊豆中央病院産婦人科を舞台にしたシリーズ3作目。今作は5話。ドクターヘリで搬送された患者に執刀医として初めて腹腔鏡手術に挑む衛から始まる。看護師と助産師の役割分担で不穏な空気が流れるナースステーション。無痛分娩への挑戦。医師として衛はこれからどうしていきたいのか。研修医・ゆめの成長も楽しみ。緊迫感が溢れる産婦人科の日々と伊豆の美味しい食べ物は変わらず。そして最終話では手術と忘年会、ともに三枝教授の凛とした姿勢が美しい。個性溢れる医師たちのこの先が気になる2025/08/29
えんちゃん
55
シリーズ③ 今作のテーマは韮山反射炉の江川英龍になぞらえた「人材育成」でしょうか。医師・助産師・看護師。立場や考え方が違えども、命を救うことへの執念は変わらない。失敗が許されない極限の緊張の中で、瞬時に最適解を見いだすスペシャリストたち。判断力の素晴らしさよ。そしてもちろん伊豆のグルメ描写も垂涎もの。ずっと続いて欲しいシリーズです。2025/09/18
seacalf
40
シリーズ第三弾。この作品に出会えて本当に良かった。もっと爆発的に人気が出てもおかしくないくらい、とんでもなく面白い。専門用語がばんばん飛び交う手術シーンにせよ、料理関係にせよ、人物にせよ、本当に丁寧にひとつひとつ描写してくれるので信頼出来るし好感を持って読める。とりわけ手術シーンの描き方が見事で、緊迫した渦中の熱々展開にあっという間に引き込まれる。北条の昂ぶりにこちらも呼応して同じく昂ぶる。今回も見せ場たっぷりで大満足。続編が出そうなラストが嬉しい。この先が読めると思うだけでもう幸せだ。2025/08/18
kanki
23
新しい治療方針が組織に根付くには。看護師、助産師、師長。関わる人達それぞれの哲学。中堅になると分娩係が減るのか。無垢で純粋で貪欲な人。とても面白かった2025/11/24
けえこ
23
シリーズ3作目。 気になったのは医師たち奮闘の陰で繰り広げられる看護師と助産師の職域問題。 「忙しい中であまりに仕事を区別しすぎると、今度は看護師が肩身の狭い思いをしかねないよね」 有資格者と無資格者の根深い問題だと思う。2025/11/19
-
- 和書
- 釣魚雑筆 岩波文庫




