内容説明
亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
191
2025年に映画化された辻村深月の青春小説。当たり前の日常が自粛という波に飲まれ、消えた2020年。茨城の高2・亜紗はコンクールの中止に落ち込み、渋谷の中1・真宙はサッカーを諦め、長崎の高3・円華は実家が旅館を経営していることに負い目を感じる。それぞれに満たされぬ思いを抱える彼らが見つけた「宝物」は、遥か空の彼方にあった――。自作の望遠鏡で制限時間内にどれだけ星を見つけられるかを競うコンテストをスターウォッチではなくスターキャッチとは洒落た命名だ。星空の下のソーシャル・ディスタンスを懐かしみつつ、下巻へ。2025/08/03
007 kazu
64
五島列島、東京、茨城のコロナ禍の中高生達が「星を見る」ことでつながる。部活動のコンクールが中止、家が旅館を経営するため同級生から疎まれてしまう女子高生、同級生に女子しかいない学校に入学してしまい、サッカーを断念する男子中学生等鬱屈した気持ちを抱えるも各々がふとした契機で星を見るスターキャッチコンテストに参加することで前向きになっていく。あの時期はなんだったのだろうか?日常を取り戻した今、ふと思う。大変な思いをした人たちは多くいるだろうが、一番の被害者は限られた時間を奪われた学生達だと思っている。(続く)2025/09/12
セシルの夕陽
56
新・文庫化♡ 天体観測に熱い想いを投じる中高生たちの青春。ただ時は2020年のコロナに右往左往している真っ只中だ。正しく恐る、3密を避ける、感染予防を徹底する… 5年前の息詰まった毎日を思い出す。都内近郊と地方との違いもあったあの頃。大人も大変だったが、部活の大会や修学旅行、登校できない日々など、学生たちにとって一度しかない大切な時間も奪われた。できる範囲で楽しいことを見出した【スターキャッチコンテスト】が動き出した🌟 下巻へ!2025/06/29
seba
50
2020年、コロナ禍による自粛ムードの中、学校という場でも大小様々なことが制限された。一度しかない時間が根こそぎ無くなってしまうなんて、生徒たちにとってこんなに悔しいことはない。そんな中でも、目的意識に囚われずできることを探す生徒たちがいた。茨城、渋谷、五島にある四校の中高生たちは、自作望遠鏡による「スターキャッチコンテスト」のリモート開催を計画することに。ウェブ会議ツールを介し、皆自然と少しずつ青春を取り戻していく。部活動廃止という一部の潮流もある中、各校の顧問の先生の部員への関わり方はとても頼もしい。2025/07/12
たるき( ´ ▽ ` )ノ
48
既にコロナ緊急事態宣言の頃が懐かしく感じられる。学生はあらゆる行事がほぼ全て中止になり、会話をすることも制限され、本当に気の毒に思っていたけれど、こうしてできることを見つけて夢中で取り組む姿に感動した。下巻も楽しみ。2026/05/02
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