内容説明
17歳の朝は、米利堅(メリケン)人通詞と日本人の遊女の間に生まれた子だ。ひょんな事から蔵前の墨長屋敷へ住み、常に洋装である。口入屋から通詞の仕事を紹介され、品川宿へ向かった。依頼主の仏蘭西の商人と話していると、1867年に開催されるパリ万博に、江戸幕府の他に薩摩藩も出るという噂を耳にする。万博参加は、国でないと出られないはずなのに、なぜ薩摩藩が…? 不思議に思いながらも長屋に戻った朝は、墨長屋敷にパリ万博の審査にて、闇組織「一目連」が参加するのを阻止すべしと、「仕組み」の依頼が入ったことを知る。出品物の「長益の茶碗」を巡る騒動のなか、朝は白と呼ばれる人物の協力を得て、佐賀の唐物屋(とうぶつや)に近づく。異国が日本に求めるものとは何か――日本初参加(!?)の万博の裏側を、朝の見た景色と共に描き出す!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬野
4
作者さん四冊目。表紙に書いていないが実質『編み物ざむらい』の続編。ここから読むとキャラとか関係性を把握するのがかなり難しそう。万博に向けて幕府や藩や外国の思惑が入り交じり、日本人と外国人の間に生まれた朝を翻弄する。編み物だけでなく金継ぎが重要なモチーフとして登場する。白の出自については驚くところはなかったものの、手仕事と時代の流れの関係についての解釈が印象的だった。すごいシーンで終わっているので続編が読みたい。感九郎の子がだいぶ大きくなっており、つい源太に思いを馳せてしまう。息災でいろよ、源太。星:4/52025/05/19
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