文春e-book<br> フェアリー・テイル 上

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文春e-book
フェアリー・テイル 上

  • ISBN:9784163919775

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内容説明

作家生活50周年を飾る巨匠の新たな代表作!
巨匠、作家生活50年。
名作の開幕の時がきた。

暗い時代に自分が書ける楽しい物語とは何か?
帝王キングが出した答えが本書だ。
世界最強の想像力が生んだ、異世界の冒険がはじまる!

ぼくの住む町には〈サイコハウス〉と呼ばれる不気味な屋敷がある。そこに住むのは偏屈な老人がひとり、閉ざされた門を越えると猛犬が襲ってくるという。ある日、悲しげに鳴く犬の声に気づいたぼくは、屋敷の主が梯子から転落して苦しんでいるのを発見した。 これがぼくとミスター・ボウディッチ(と、犬のレイダー)の出会いだった。

怪我をした老人の世話をするため家の立ち入りを許されたぼくは、ボウディッチ氏やレイダーと心を通わせはじめる。噂とは裏腹に老人も犬も恐ろしくはなかった。だが、徐々にぼくは奇妙なことに気づきはじめる。家の裏手から妙な音がときどき聴こえてくるのだ。ボウディッチ氏が奇妙に裕福なのも謎だった。そしてある日ぼくは、氏が大量の黄金の粒を金庫に入れていることを知った――これはいったい何か? どうやって老人はこれを手に入れたのだろう?

謎が謎を呼び、ぼくは徐々にボウディッチ氏の秘密に近づいてゆくが――

絶望に閉ざされたコロナ禍に、巨匠は自身にこんな問いを投げた――
What could you write that would make you happy?
自分が楽しくなる物語。あるいは暗く先の見えない時代にみんなを元気にする物語。
さあ、自分ならどんな物語を書く?
その答えが本書である。
だから最後に待つのはもちろんハッピーエンドなのだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

152
スティーヴン・キングは数十年に渡って読んでいる作家の一人です。著者50周年記念刊行の大トリです。本作は、菊版、二段組のファンタジーでした。上巻一気読み、続いて下巻へ。トータルの感想は、下巻読了後に。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639197752025/06/03

ぐうぐう

34
キングはいつも急がない。タイトルから、ほとんどの読者が主人公の少年が異界へ旅立つと察知しているはずなのに、キングはすぐにはその扉を開かないのだ。まずキングは、少年と老人、そして老人が飼っている犬との交流を丁寧に描く。怪しい小屋のその先に、異界への扉があることを隠そうともせずに、しかしキングはささやかな日常をたっぷりと描くのだ。なぜならそこにも、異界に匹敵する語るべきストーリーがあることを信じているからだ。事実、その日常における何気ないエピソード、描写の数々が読ませるのだ。(つづく)2025/05/12

tosca

32
スティーブン・キングの新作で異世界物と聞いて期待は高まる。でも案の定長い。上巻では主人公の少年チャーリーが古い屋敷に住む偏屈な老人と彼の犬のレイダーに出会い、老人が入院したり、高齢犬のレイダーとチャーリーが心を通わせようになったりする過程がじっくり描かれて、異世界が出てくるのは後半になってからだけど、レイダーが可愛すぎる。下巻へ 2025/06/17

ぽてち

31
2024年に作家生活50周年を迎えた巨匠の記念刊行最後を飾るのは、そのいくつもある引き出しの中でも傑作が多いファンタジーだ。主人公は17歳の少年チャーリーで、10年前に起きた事故で母を亡くし、そのショックでアルコール依存症になった父を助けながら暮らしている。成長した彼が一人称で過去を語るという設定だ。上巻前半はチャーリーの優等生ぶりに辟易するが、それは本人も承知だ。後半からはいよいよ非日常の世界での冒険が始まる。例によって安易な設定だがこれは作者も承知だ(笑)。むしろそれを逆手にとって愉しんでいるようだ。2025/05/04

ひさか

30
2022年9月刊FairyTaleの日本語訳を2025年4月文藝春秋刊。近所の不思議な老人の話は、どうなるのか全く読めず、しかし、後半の展開は、驚きの連続。タイトルがおとぎ話を意味するものだとは知らなくて、びっくりです。下巻へ。2025/06/07

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