内容説明
楠木正行は、南朝に与する楠木党の強さを誇示し、北朝の厭戦(えんせん)気分が高まったところで和議を進める策をとる。正行の指揮のもと、北朝に降ることを前提とした戦に勝ち続けるが、事態は思わぬ方向に傾きはじめ……。朝日新聞連載の歴史巨編、堂々完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
579
後村上帝との出会いからがいよいよ本領発揮。上巻からの流れで、いかに南朝の将として立たせるのか、気になっていたところで「こう来たか!」という胸熱展開。ただし、だったら後村上帝と会ってからにもっと頁を割いてくれよとか、結末のつけ方が一気に拙速になってしまった辺り、引っ掛かる点もいくつか出てくる。特に、終盤の南朝の瓦解があまりに一瞬のことで拍子抜け。主人公を良く描きすぎたせいで、こんな形で無理矢理にしか話をひっくり返せなくなった感が『茜唄』とそっくり。それらスッキリさせるためにも、正儀編はぜひ書いて欲しい。2025/05/17
starbro
239
上下巻、900頁超、完読しました。楠木正成の息子 楠木正行の物語、主人公は魅力的ですが、南北朝という時代背景か、主人公の志が見えないせいか、全体としては盛り上がりに欠ける気がします。桜の様に散る訳でもなく、エンディングも中途半端でした。 https://book.asahi.com/article/157387872025/05/08
パトラッシュ
235
(承前)暴走した政治が身の程以上の大勝を求めても、軍は従うべきか本作のテーマ。政治の身勝手で父を失った楠木正行は、南朝主君の後村上帝と直接繋がることで兵や庶民を使い捨てる世ではなく、メンツを捨てた平和共存を求めた。北朝軍を次々撃破し対等に交渉できるよう図るが、強硬派の北畠親房はクーデターで和解の芽を潰してしまう。しかも高師直が出陣し追い詰められた正行は「己の心のままに生きるしかない」と定め、弁内侍との悲しい別れを経て突き進む。美しい生き方を貫こうとする正行は、真正の理想主義者として四条畷の戦いに挑むのだ。2025/05/04
旅するランナー
221
楠木正成だけでなく、息子楠木正行も英傑となる、心えぐられる南北朝戦記。戦いを終わらせるための戦い。戦略を駆使した知将。武人たちが作る壮絶な花が咲く。滅びの美学に涙する。また一つ名作が誕生した。2025/05/17
はにこ
169
南北朝は垣根涼介の作品しか読んだことが無かったので、南朝側のお話を読めて良かった。正行の当初思っていた計画とは全く違うものになったけど、それに憂うことなく、突き進む。そしてそれに連なる仲間達。今村翔吾の作品はこうでなくっちゃ。全然知らなかった歴史上の人々の息づかいが感じられた。2025/05/02
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