内容説明
楠木正行は、南朝に与する楠木党の強さを誇示し、北朝の厭戦(えんせん)気分が高まったところで和議を進める策をとる。正行の指揮のもと、北朝に降ることを前提とした戦に勝ち続けるが、事態は思わぬ方向に傾きはじめ……。朝日新聞連載の歴史巨編、堂々完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
571
後村上帝との出会いからがいよいよ本領発揮。上巻からの流れで、いかに南朝の将として立たせるのか、気になっていたところで「こう来たか!」という胸熱展開。ただし、だったら後村上帝と会ってからにもっと頁を割いてくれよとか、結末のつけ方が一気に拙速になってしまった辺り、引っ掛かる点もいくつか出てくる。特に、終盤の南朝の瓦解があまりに一瞬のことで拍子抜け。主人公を良く描きすぎたせいで、こんな形で無理矢理にしか話をひっくり返せなくなった感が『茜唄』とそっくり。それらスッキリさせるためにも、正儀編はぜひ書いて欲しい。2025/05/17
starbro
234
上下巻、900頁超、完読しました。楠木正成の息子 楠木正行の物語、主人公は魅力的ですが、南北朝という時代背景か、主人公の志が見えないせいか、全体としては盛り上がりに欠ける気がします。桜の様に散る訳でもなく、エンディングも中途半端でした。 https://book.asahi.com/article/157387872025/05/08
パトラッシュ
227
(承前)暴走した政治が身の程以上の大勝を求めても、軍は従うべきか本作のテーマ。政治の身勝手で父を失った楠木正行は、南朝主君の後村上帝と直接繋がることで兵や庶民を使い捨てる世ではなく、メンツを捨てた平和共存を求めた。北朝軍を次々撃破し対等に交渉できるよう図るが、強硬派の北畠親房はクーデターで和解の芽を潰してしまう。しかも高師直が出陣し追い詰められた正行は「己の心のままに生きるしかない」と定め、弁内侍との悲しい別れを経て突き進む。美しい生き方を貫こうとする正行は、真正の理想主義者として四条畷の戦いに挑むのだ。2025/05/04
旅するランナー
219
楠木正成だけでなく、息子楠木正行も英傑となる、心えぐられる南北朝戦記。戦いを終わらせるための戦い。戦略を駆使した知将。武人たちが作る壮絶な花が咲く。滅びの美学に涙する。また一つ名作が誕生した。2025/05/17
hiace9000
163
感動の余韻に未だ胸の震え止まらず。紛れなき今村最高傑作! 上下巻九百頁を要して綴る「人とは、平和とは」の今村節に心酔。敵方・高師直の視点を加えて並足から疾走へと加速する下巻は、野望と希望との強烈な摩擦で生じる熱で火急の展開に。史実の隙に人と想像力を練り込み各々の登場人物の魅力を更に赫々と照らし出す。正行はじめ多様な人物の言に読み手は感化され、心痺れ手に汗握り続ける。父子の唄に始まる「悪党」の生き様は、後の世にて己の生き方を問う万人の心に、己心に向き合い生きる覚悟こそが拓かせる確かな光の道筋を示してくれる。2025/04/27
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