内容説明
さいしょはクローゼットの棚に手が届かなかった。つぎに服がぶかぶかになった。「思うんだけど、ぼくは縮んでるんじゃないかな」でも、おとうさんもおかあさんもあまり気にしていないみたい。お医者さんはそんな病気はないって言うし、学校の先生も解決してくれない。まだまだ縮み続けて……。英国児童文学の人気作家フローレンス・パリー・ハイドのへんてこで可愛い物語にイラストレーター、エドワード・ゴーリーのイラスト30点収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
151
エドワード・ゴーリーは、新作中心に読んでいますが、フローレンス・パリー・ハイドは、初読です。シュールで不条理な物語、一人息子の変化に気付かない両親は、ネグレクトかも知れません(笑) https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/97844880114442025/02/01
☆よいこ
83
児童書。ゴーリー絵、三辺律子訳▽ツリーホーンがどんどん小さくなる。ツリーホーンが小さくなっても、母親も父親も気づかない。気づいても「まあたいへん」とか「あの子はわざとやっているんだろうか。人とちがうことがしたくて」などと言う。大人の対応は冷ややか、保身的、子どもを相手にしない。ツリーホーンはゲームをして元に戻る。けれども今度は…▽とても皮肉的なお話しでした。ゴーリーの絵がぴったりです。2025.1刊2025/06/05
あたびー
41
各ページにゴーリーの挿絵が入っている。むしろゴーリー目当てで買った本。1971年発行の本なので、登場人物の服装もその辺に即しているのだが、19世紀末~20世紀初頭の服装をしたゴーリー作品の登場人物に慣れている目にはかなり新鮮に映った。それはさておき、ある日自分がどんどん縮んでいることに気づいたツリーホーン。生活はどんどん不便に。しかし両親含め周りの人は一向に意に介さない。更に縮んだ結果原因を発見したツリーホーン。良かったね。教訓:あなたの困難を理解してくれる相手は皆無である。2025/02/02
Roko
30
最初は、シャツの袖が長いなぁって思ったくらいだったんだけど、ズボンの丈が長くてつまづくようになってから、ツリーホーンくんは自分が縮んでいるみたいだということに気づいたんです。食事のテーブルが高くて食事をするのが大変だったり、ベッドからジャンプしないと降りられなくなったりして、おかあさんやおとうさんに訴えました。「ぼく、縮んでいるみたいだ」2025/05/25
Cinejazz
27
〝ぼくは<ツリ-ホーン>。 何か、ひどく可笑しなことが起ころうとしていた…。最初は、クローゼットの棚に手が届かなかった。つぎに服がぶかぶかになった…「思うんだけど、ぼく、縮んでるんじゃない?」…でも、パパもママも、あまり気にしていないみたい。お医者は、そんな病気はないって言うし、学校の先生も解決してくれない…。ぼくは、どんどん縮んでいき…〟児童文学作家<フロ-レンス・パリ-・ハイド>の可笑しな話を<エドワ-ド・ゴーリ->のイラストで楽しめる、奇妙奇天烈な物語。2025/06/15