内容説明
広島県で98歳の父と二人で暮らす89歳の母が認知症と診断されて4年半。お漏らしをしても知らん顔で、指摘すると「私はおらん方がええんじゃろ!」と逆ギレする。あの優しくユーモアに溢れた母はどこへ行ってしまったのか。心が揺れる娘をよそに、父はあるがままを受け容れるが、母が脳梗塞に倒れ事態は急変する。東京で働く一人娘が記録した老老介護の切実な現実と、温かく優しい家族の絆。(解説・村井理子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃとら
41
『ぼけますから、よろしくお願いします。』の続編。以前TVで観たときは認知症になった母のヒステリックな叫び声と、荒れてくる家に耐えられず、しっかりは観なかった。「おっ母はわしが見る。」と言った父親。その後は介護サービスの助けも受けるようになったが、お母さんは脳梗塞に。再発、胃瘻、旅立ち。父良則さんが素敵すぎた。彼は100歳の誕生日に何が食べたい?と娘に聞かれ、ココスでハンバーグステーキにココアを2杯、サービスされたケーキも完食。良則さんの、ありのままを受け入れる、大きさと強さを感じた。定命とは?2025/01/25
みこ
12
映画「ボケますからよろしくお願いします」の続編のベースとなっている話に裏話を追加。信友氏は最後までお母様を愛し続ることができたのはお母様が信友氏を愛していたから。人は身近の人の愛情をそのまま反映するものだ。病気か病気でないかがその人の幸せを決めるのではない。愛があるかないかなのだ。2025/02/07
Carol
1
『ぼけますから、よろしくお願いします。』の続編というか、同じ時期のことだけれど、書かれていなかった部分が描かれていて、読者は本当に「おかえり、お母さん」と言いたくなる感覚。認知症は「認知機能の低下によって、生活に支障が出ている状態」のことを指しますが、お母さんは認知機能が低下してもお父さんや著者の直子さんのおかげで自宅で長く生活をされていて、すごい家族だなぁと改めて思いました。認知症のあり方のありのままを受け止めて、相手を尊重するって本当に難しいこと。それが自然にできるお父さんと直子さんに脱帽です。2025/01/06