内容説明
故郷を滅ぼされ、復讐のため後宮へ上がったハウファは、不死身の光神王を倒す法を求め、文書館の地下深くに隠された建国の秘史に至る。
やがて彼女は神宿の御子を産むが、同じ日に第一王妃のもとにも王子が誕生していた……。
多崎礼、もうひとつの革命の物語。
中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 2』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片 伴走者の遺言」を新たに収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misa*
36
光神王を暗殺するため後宮へと上がったハウファの復讐魂には、途中途中で涙が滲んだ。そして今作も身分の差を突きつけられる恋模様。言葉にしたいのに伝えられない、伝えたらいけないといった迷いの想いが溢れていて読んでるこちらも胸が苦しくなる。そして多崎さんの作風といってもいい、どん底から這い上がる泥臭い強さと野望には息をのんでしまう。愛するものを救うため、己を導くため、後悔も過ちも、みんな自分の一部だ。どんなに愚かで醜くても、これが私だ!と向かっていく様は素敵すぎる。揺れ動く人間ならではの感情が壮絶に描かれている。2024/10/16
よっち
33
故郷アウニール領を滅ぼされた復讐のため、光神王の後宮に入ったハウファ。王を殺せるのは王の子のみと知らされ王の子アライスを産む第2弾。ハウファにより明らかになってゆく過去、同じ日に第一妃にも王子ツェドカが生まれてしまい、アライスとツェドカを育む複雑な心境の結末。そしてイズガータとアーディーンの関係性に似ているアライスとダカールのエピソード。結ばれない身分差の恋にはなかなか辛いものがありますが、物語が核心に迫る中でダカール視点のエピソードは影憑きについて語られていて、これはこれで印象的なものになっていました。2024/10/08
まっちゃん
8
光神王への復讐を胸に嫁いだアライスの母・ハウファと、アライス(シアラ)の友となった影憑きでもある騎士・ダカールの夢。前作とストーリーは重なるけれど、違う視点で夢を見られるので鮮烈だった。どの夢も美しくて愛おしい。次巻で本編最終とのことでこのまま続きへ。2025/06/19
mikeko
7
R6年10月初版、10ヶ月後に一読。★シリーズ2冊目。ハウファとダカールの視点を中心にした2編と幕間3編。アルニールでの幸せな日々が突然奪われたハウファ。ケナファ候の館でイズガーダに慕われながら暮らしていたある日、六大主教の1人、エトラヘブ卿の思惑により光神王の後宮へと入る。復讐を決意した彼女が後宮でどうなっていくのか気になりつつ読んだ。ダカールは生まれながら影に憑かれ、1人の時空に2つの意識が押し込まれている。影は時空を求めるが恐い存在ではなく、伴奏者という存在。時空、影。印象的な言葉だ。★次に進もう。2025/08/19
MERIKO
7
夢の上1巻でのあの日あの時、彼らはこんなふうにに思っていたのか、あの時の戦いの裏ではこのようなことが起こっていたのか等、物語の繋がりが絶妙で本当に面白い。ファウアが復讐のためアルティアとともに命尽きるまで戦う姿は素晴らしかった。 アライスとダカール。イズガータとアーディンの似通った2組の切ない関係が胸を締め付ける。ダカールにはアーディンとは違う選択肢があれば良いと心から願ってやまない。 最後のサフラの遺言にすごく感動した。 一人一人が懸命に生きている姿が美しく素敵だ。2024/12/31
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