内容説明
下巻は一七九二年、国民公会の招集、王政廃止、共和国宣言から一九七三年のルイ十六世処刑、一七九四年の最高存在の祭典、ロベスピエール派の全員死刑までの激動の経緯を描く。〈解説〉小倉孝誠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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18
やっぱりフランス革命複雑怪奇.......一旦は読み終えましたがまだ全部理解出来たとは言えないので定期的に読み返したい1冊。2020/07/21
しゅん
7
理想に権謀術数が混ざり、保守と革新の間での失脚(すなわちギロチン行き)が繰り返される下巻。穏健のジロンド派が過激のモンターニュ派に潰され、やがてモンターニュ派も壊滅する。ジロンド派に与するシャルロット・コルデがマラーを殺すまでの描写がいい。彼女がパリに行く経緯、肖像画から見られる彼女の性格、マラー家に入ってから入浴中のマラーを刺すまで。ここの描写を読むだけで、ミシュレが特異な文章を書く人であることがわかる。2025/07/22
ナン
7
とりあえず読み終えたが、ジロンド派追放やテルミドールのクーデターといったこの本のハイライトと言ってよい出来事について知識が付いて来ず、勉強&再読の必要あり。しかし、革命の高揚感や熱量などをここまで伝えてくれる本は初めてで大変勉強になった。フランス革命関係の他の本を読む際の理解の促進にもなると思う。登場人物たちが語る崇高な理想には胸が熱くあるものがある一方で、恐怖政治や社会の混乱など負の面も大きい。ミシュレはフランス革命を高く評価しており共感する部分もあるが、相対化する本も今一度読みたいと思った。2021/02/25
sekaisi
4
読む方もロベスピエール(派)が断頭台へ送られたのでホッとしました。2023/03/27
KN
3
ロベスピエールの死で終幕。後のナポレオン体制を「墓場」と呼んでいるのが印象的だ。人民の味方というミシュレの立場からすると、ブルジョワ支配で終結したフランス革命はまったく不十分だったのだろう。それゆえ、ジャコバンの恐怖政治を嫌悪しつつも、ロベスピエールやサン・ジュストの偉大さには同情的な記述が見られる。2017/12/18