岩波文庫<br> 開かれた社会とその敵 第一巻 プラトンの呪縛(上)

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岩波文庫
開かれた社会とその敵 第一巻 プラトンの呪縛(上)

  • 著者名:カール・ポパー/小河原誠
  • 価格 ¥1,507(本体¥1,370)
  • 岩波書店(2024/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784003860250

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内容説明

ナチズムの虎口を脱したポパー(一九〇二―九四)は,亡命先のニュージーランドで,左右の全体主義と対決し,その思想的根源をえぐり出す大著の執筆に着手した.その第一巻では,プラトンを徹底的に弾劾,大哲学者を玉座から引きずりおろすとともに,民主主義の理論的基礎を解き明かしていく.政治哲学上の主著の全面新訳.全四冊.

目次

ドイツ語版第七版への序(一九九二年)
ドイツ語版第一版への序(一九五七年)
英語版第一版への序(一九四五年)
アメリカ版第一版への序(一九五〇年)
イマヌエル・カント 啓蒙の哲学者
序論
第一巻 プラトンの呪縛(上)
起源と運命の神話
第一章 ヒストリシズムと運命の神話
第二章 ヘラクレイトス
第三章 プラトンのイデア論
プラトンの記述社会学
第四章 静止と変化
第五章 自然と協定
プラトンの政治綱領
第六章 全体主義下における正義

編者の注記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイトKATE

33
20世紀は民主主義が発展した一方で、全体主義が登場した世紀だった。カール・ポパーは、「開かれた社会」である民主主義の最大の敵として、全体主義の源流を思想面から分析した。前半は全体主義の原流は、プラトンにあると指摘し糾弾している。ポパーは、プラトンが階級社会を容認し、支配階級が労働者や奴隷を統治するのが最善の社会であり、人間は個人のために生きるのではなく国家に仕えることが正義であると看破している。プラトンの思想には人間の自由よりも国家が最優先されていることに、ポパーは全体主義への影響を読み取ったのであろう。2024/01/23

Ex libris 毒餃子

14
プラトニズムに乗っ取った歴史主義を批判する本。注が200ページちかくあって『プロ倫』かと思った。2023/04/21

Jack Amano

6
大学生の時に邦訳がなく、英語で2冊の本を買って、ついに手を付けずに今に至っていた。邦訳されて、全4巻になっているが、とんでもない量の柱が付いているので、仕方ないかと。最初のこの第一巻で、プラトンの正義論・国家論が論じられている。書かれた時代の背景もあるが、プラトンの国家・正義の思想についての詳細な解説を読んでいると、それがヒットラーの思想に近いものを感じ、ポパーがプラトンを批判している理由も理解できる。難解ではあるが、読む価値のある本と思う。2025/05/28

zunzun

6
カール・ポパー『開かれた社会とその敵 プラトンの呪縛』を購入し、読了しました。 とにかく全体主義への憎悪が凄まじく、古代ギリシャの思想家、プラトンの記述から全体主義的、共産主義的なにおいを嗅ぎつけ、爬羅剔抉し徹底的に否定しています。歴史に法則があると考え、科学的な装いをしている社会哲学的傾向をヒストリシズムとよび、プラトンもそれに依存しているといいます。2023/02/23

A.Sakurai

6
1991年初冬にソ連を旅行していた.ソ連の崩壊を目の前にして,この強固な統制構造が無くなってどうやって国を統治していくのだろうと心配半ば,興味半ばだった.そして四半世紀後,馴染み深く見覚えがある形に落ち着いた.結局それかよ!納得半ば,残念半ばである。本書はナチスや共産主義といった全体主義政治を批判する政治哲学書だ。本巻では源流をたどってプラトンの,なかんずく『国家』の内容を解釈し批判する.著者は1992年版の序で書いている「かつて法治国家というものの存在しなかったロシア」.結局ここに問題があるのだろう.2023/07/25

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