内容説明
フィデルマ一行は事件が起きた修道院に行く途中、少女を殺した疑いで捕まり私刑に遭いそうになっている若者を保護する。若者は容疑を否定しているが、人々は聞く耳を持たない。偶然にもその若者は修道士失踪事件の目撃者でもあった。ふたつの事件に関連はあるのか? 謎が謎を呼び、混迷は深まるばかり。ダヴェド王国の人々は長年の確執からサクソン人に敵意を抱いており、サクソン人のエイダルフも神経を尖らせ、フィデルマとの間もぎくしゃくする始末。慣れない異国の地での怪事件を、フィデルマはどう解き明かすのか。好評シリーズ第10弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
56
下巻も怒涛の展開で続きが気になり一気に読みました。ヨーウェルスの最後の選択には驚きショックです。そんな事をするタイプには見えないのに…強面で強気な人ほど脆い部分があるのかな。幕切れのフィデルマとエイダルフのやり取りも気になります。この後二人はどうなるんだろう?2024/11/17
星落秋風五丈原
30
事件が起きた修道院への途上、フィデルマ一行は少女を殺した疑いで私刑に遭いそうになっている若者を保護する。エイダルフは「余計なことに関わってないで、頼まれたことだけやりましょう」と提案するが、それがまたフィデルマの勘にさわってしまう。王女様を安全に旅の執着地に送り届けなければという使命感のなせる業だが、フィデルマには届かない。そして止めの、見事なほど分かれてしまった占いの結果。一方は結婚でき、一方は独身。ということは、二人はそういうお相手ではないということ?まあ、身分違いではあるけどね。2024/08/09
アリーマ
21
海路カンタベリーへ向かうフィデルマとエイダルフ。途中で嵐にあって、打ち寄せられた街で新たな事件に遭遇。その裏には近隣国家の覇権を巡る大きな陰謀が渦巻いていた。フイデルマがずいぶん物柔らかになって、エイダルフとも少しずつ親密さを増している感じだがなかなか進まないなあ。翻訳者が変わってずいぶん読みやすくなった気がする。ストーリーの牽引力も増して、前よりかなり楽に読めるが、古代ケルト諸国の言語や文化など、様々なディテールは相変わらず緻密に散りばめられて面白い。最近は順調に続巻が出ていて何より。★★★★2024/11/04
ぽんすけ
19
フィデルマは時々お姫様だからか高慢な所もあるけど、基本的に度胸が据わっていて信念の人。真実を得るためには危険も顧みない姿がすごい。それがいきすぎないようにエイダルフがストッパーになっているのもよい。今回は少女殺しと修道僧達の大量失踪が引き金になった、正に国家規模の陰謀を解き明かすというものだったが、上巻では個々の問題がバラバラすぎて、どういう繋がりがあるのかと疑問に思うようなことも、下巻で徐々に真実の糸が手繰り寄せられ最後に真実に収束していくところが毎度のことながらカタルシスを感じで気持ちいい。2024/09/07
Masa
8
読了。正直、訳者さんが変わってからちょっとだけ違和感あるんですよね。もう素晴らしいくらい色々踏襲してくれているのはわかっているんですけど、なんかなー……。フィデルマとエイダルフの関係性はどうなるのかなと思っていたけれど、まぁこの二人がいきなり変わるわけもないか、と。あ、フィデルマ・ラヴは変わらずです。2024/08/10
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