内容説明
よきワトスン役であるエイダルフに同行して海路カンタベリーに向かっていたフィデルマは、途中時化(しけ)のためダヴェド王国への上陸を余儀なくされる。先を急ぎたいふたりだったが、フィデルマの評判を聞きつけた国王から、小さな修道院の修道士や家畜がすべて消え失せるという不可解な出来事の謎を解いてほしいとの要請を受ける。じつはその修道院には王の息子がいたというのだ。捜査を引き受けたフィデルマとエイダルフは、ダヴェド王国の判事とともに問題の修道院へと向かうが……。王の妹にして弁護士、美貌の修道女が活躍するシリーズ第10弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
54
旅の途中、またまた事件に巻き込まれるフィデルマとエイダルフ。夕食の最中に席を外したように人っ子一人いない修道院の描写にはぞっとしました。まだ先の読めない展開で続きが楽しみです。2024/11/15
星落秋風五丈原
29
このコンビはフィデルマがからかいつつもマウントを取り、人の好いエイダルフが許していることでバランスを保っているがエイダルフでも気分を害するポイントはある。ひとえに喧嘩にならないのは、エイダルフの寛大さによるものだ。あっぱれ。でも、ずっと続けるの、エイダルフ?今回国王じきじきの依頼で捜査を引き受けたのだから、水戸のご隠居の印籠よろしく書類を見せれば捜査はサクサク進むはず。理屈ではそうだが、いう事を聞かない地方の荒くれ者が、フィデルマを襲うあわやという場面も(自ら柔術でのしちゃうお嬢様つおい!)。2024/08/09
ぽんすけ
15
相変わらず殺伐とした人間関係が渦巻いてる。イギリスっていうと一つの国って思いがちだけど今でも同君連合国家だもんね。最近よくスコットランドやウェールズの独立運動について耳にするし国民にも一つの国っていう感覚は薄いのかもしれない。作中ではまさに群雄割拠状態で、我らがエイダルフはサクソン人、事件の舞台となったウェールズはブリトン人の国で両者は不倶戴天の仲。エイダルフが事件そっちのけで命の危機を感じ怖がっているのが印象的。恐怖が先にきているためかいつも以上にドンくさい感じになってフィデルマがイライラしてたw2024/09/07
アカツキ
12
修道女フィデルマ10作目。フィデルマと航海中、海が荒れてエイダルフが頭を打って気絶。途中で上陸を余儀なくされる。フィデルマの名声を聞き知ったその土地の国王から小さな修道院の修道士27人と家畜が消えた謎を解いてほしいと頼まれる。修道士の中に国王の息子がいるという…。事件の舞台と登場人物の紹介が終わったところで上巻終了。エイダルフの活躍シーンがちょこちょこあるけれど、私の中のエイダルフは頭を打って気絶する方なんだよね。2024/11/03
Abercrombie
6
第10作。舞台はサクソン人とブリトン人の憎悪渦巻くウェールズ。王からの依頼は、すべての修道士が小修道院から消え失せた事件(+少女殺害事件)の解明だったが、上巻は事件関係者が出揃うところまで。異国とあって普段以上にギスギスマシマシな雰囲気になかなかページが進まなかった。2024/08/30
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