内容説明
陰謀の陰に老中が!? 傑作時代エンターテインメント第3弾!
歴史時代小説には、吉川英治『宮本武蔵』、藤沢周平『蝉しぐれ』、宮本昌孝『剣豪将軍義輝』、葉室麟『あおなり道場始末』など、剣の修行を通して成長する若者を描く青春小説の系譜がある。
冲方丁〈剣樹抄〉シリーズも、この列に加わる作品である。末國善己(解説より)
地獄にとどまり、地獄を払え――
大火を引き起こした「極楽組」首魁・極大師は水戸光國のもとに自ら降った。
柳生義仙と廻国修行の旅に出ている六維了助は、逃げた配下の3人を追う。
東照宮討ち入りの謀反に関東での切支丹集団の潜伏、松平伊豆守の影――。
絡み合う魔の手から光國と了助は江戸を守れるのか。
傑作時代エンターテイント完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
51
シリーズ最終巻になります。絡み合う悪の手から江戸を救えるかハラハラしました。また、キリスト教禁教の時代背景が生かされている物語であるとも思います。了助の成長も見どころですね。傑作歴史エンターテイメントとしての面白さと爽やかさが魅力だったので、シリーズが終わるのが寂しいところです。2024/07/02
はにこ
48
極楽組との決闘。そしてキリシタンの企み。辛い経験や戦い、旅を経て成長した了助。そして心も悟りの域に達し、過去と折り合いをつける。光圀への複雑な想い。これを乗り越えた彼はさらに成長するんだろうな。前作まてをほとんど忘れてしまっていたのでちょっと残念。時間ができたら読み返したいな。2024/10/25
ren5000
34
ついに完結編。了助が成長してすっかり落ち着いてしまってて剣豪のような佇まいで1、2巻のほうが読んでて楽しかったけど完結編だから仕方ないかな。なんか最後はバタバタの駆け足展開になってしまった感があるけど全編を通して楽しい読書でした。2024/10/25
えも
25
完結編。久しぶりに読んだので、登場人物の相関関係を思い出すのに戸惑った▼主人公の了助が悟っちゃって、水戸光圀よりも大物になったようだね。あと、悪い奴らがなぜか切支丹にかぶれたのが唐突感。2024/07/20
Mc6ρ助
22
『「燃えただと・・・こやつ、途方もない人死にを、家屋敷、寺社、城、学書万巻の焼失を、雨風のように語るか」(p49)』想定外とフクシマを天災にしてしまう現代日本といい勝負、昔のかたき役程度と考えると情けない。閑話休題、3巻目にして完成した江戸時代のビルドゥングスロマーンはちょっとデキスキ君で、チャンバラ小説としてもかの柳生烈堂義仙さんも主人公もちょっとツヨスギ君だったんではなかろうか。2024/08/05




