内容説明
夜から次の日の朝まで開いているビストロ「キッチン常夜灯」。同期の南雲みもざに連れられて、34歳のつぐみは初めて店に足を踏み入れて以来、「今日は常夜灯に行く」ことを、仕事のモチベーションにしている。つぐみは、みもざが店長を務めるチェーン系レストランを経営する株式会社オオイヌ・本社営業部に所属している。「女性活躍」の目標のもと、女性が店長になった代わりに、ベテランの男性社員が本社勤務になった。そんな彼らに気を遣いながら、日々仕事に忙殺されているが、直接お客さんと接するわけではなく、やりがいを見出すことが難しい。結婚を意識する彼氏とも、最近ぎくしゃくしはじめている。仕事で疲弊する分、オフを充実させようとするものの、充実が何なのかが自分でもよく分からず、毎日不満とストレスだけが蓄積されていく。そんなある日、秋のデザートメニュー開発を頼まれてしまい……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
194
使えない同僚、客からのクレーム、それを見て見ぬふりする上司、連絡をくれない恋人。そんな毎日に疲れ果てていたつぐみだったがある日、同僚の勧めで一緒にキッチン常夜灯へ行くことに。静かで落ち着ける店内、気持ちの良い接客、よく冷えた白ワイン、美味しいフランス料理の数々、そして締めはシェフ特製の具だくさんスープ。「このお店は行き場のない人たちを掬い取ってくれてるみたい。まさに常夜灯なんだよ。」現実でこんな店に巡り合えることはなかなかないだろうけど、読んでいる私も一緒にこの店の常連になった気分になれて、私は大好きだ。2024/08/14
Kazuko Ohta
184
なにしろこの前に読んだのが『ケモノの城』だったので、一刻も早くあの状況を頭から消し去りたいと思って手に取ったのが本作でした。第1弾と主人公は同じだと思ったら違うことに意表を突かれる。なるほど、同じ会社の他部署の女性が主人公なのですね。前作は現場の店長が主人公、本作は本社勤務の女性の話。美味しそうな料理の描写が並ぶだけで幸せな気分になれるというものです。正直なところ、主人公の恋愛話はまぁ良しとして、キッチン常夜灯での恋愛話は別に要らんと私は思ってしまうのですが、美味しいものを一緒に食べれば恋も生まれるか。2025/04/05
はにこ
144
前作のみもざの同僚、本社勤務のつぐみの話。レストランで昔働いていたので、描写が目に浮かぶようだった。彼氏と上手くいかないし、異動してきた元店長達は使えないし、クレームは来るしと散々なつぐみ。みもざの紹介でキッチン常夜灯を知り、徐々に変わっていく。確かに、こんな素敵なレストランがあったら、一日の目標にできるよね。それにしてもつくづく、飲食業界で働くって大変だよねぇ。。2025/06/19
おしゃべりメガネ
136
路地裏で夜から朝までオープンする癒しのレストラン『キッチン常夜灯』を舞台にした2作目になります。主人公は前作のチェーン店店長「みもざ」から彼女の同期である本社勤務「つぐみ」へバトンタッチ。本社の立場にありながら、現場の苦労もしっかりと受け止めよりよい方向へと改善していきたい彼女のひたむきな姿勢に胸がうたれます。本作で安心して読めたのは、真芯からの悪人が登場しなかったコトが救いでしたね。出てくる登場人物、それぞれが自分の思いをしっかりと持って、何かしらいい方向へと向かおうとする描写がとても良かったです。2025/06/25
モルク
126
前作の主人公みもざの同期の友人で本社営業部に勤務するつぐみの話が中心となる。クレーム処理や雑務に追われるつぐみの帰りはほぼ深夜。同じ会社のチェーン店にいる年下の彼氏ともすれ違いが続きストレスがたまっていた。そんなときみもざに連れていってもらった「キッチン常夜灯」。心暖まる料理と会話がつぐみの心を癒す。次々と起こるトラブルに彼女は…そして彼氏とは…。キッチン常夜灯の美味しそうな料理、名前を聞いただけではどんなものかわからないものもあったけど、食べたい!そして奥山様の結婚式後の食事会のシーンは涙がほろり。2024/07/13
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