内容説明
昔馴染みで役者の市之進の死絵を描いたことをきっかけに、地本問屋からの注文が増えてきた絵師見習いのおふゆ。ある日街中で、ご禁制とされている、立役と女方の心中を描いた読売が売られていた。偶然通りがかったおふゆは、画帖を持っていたことから、その読売を描いた絵師だと勘違いされ、岡っ引きに捕まってしまう……。第十四回角川春樹小説賞を満場一致で受賞した著者の、注目の新シリーズ第二巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
54
おふゆは団扇絵を描いたり家事をしたりしながら歌川国藤(芳藤ではないのね)のもとで絵の修業をしている。前作で役者・市之進の死絵を描いたおふゆは地本問屋にも少し名前が知られているようだ。今回おふゆは下積み役者二人と大物役者一人の死絵を描いた。絵のジャンルがジャンルだけにさびしい物語になりがちなので寅蔵さんとの交流場面がもう少し多いといいなあと感じつつ読了。2024/05/26
Roko
30
おふゆは自分の絵はまだまだで、自分が思ったような絵が描けるようになるには修行が必要だと考えています。なのに仕事の依頼が入るのは、自分が女だから珍しがられているだけではないか?とも思っています。だから日々悩み続けています。でも、師匠はおふゆのことをちゃんと見てくれています。この子はいい絵が描けると信じてくれているのです。いい師匠につけてよかった。そんなおふゆに思いを寄せる「卯の屋」の寅蔵さんの気持ちが届くには、もう少し時間がかかりそうですね。 #牡丹ちる #NetGalleyJP2024/05/15