内容説明
「文字イコール文明」というイメージを覆す
「文字による伝達が生まれると文明が生まれる」と見る人類史が見落としてきた事例は多い。本書は、古代ギリシャから中世英国、近代日本、現代バリまで、「声より先に文字がある」「文字記録が信頼されない」例を集め、字を書くことと「口伝え」との境界面を探ることを通じて文明の常識を問いなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
109
面白かったです。 バリ島では文字が4種類。人間の舌の中には元々文字があって声、というのはそれが発令したもの、てユニークな考えですねえ。もしかしてヒンディー的?2024/07/23
かんがく
11
人類学の視点から言葉のもつ「声(聴覚)」と「文字(視覚)」という2つの要素について分析していく本。デリダ、マクルーハン、柳田國男、小泉八雲、平家物語、ボルヘス、金枝篇、笑い飯、Twitterなど多岐にわたるテーマが扱われていて楽しく読めた。2024/06/09
gorgeanalogue
9
音声言語と文字言語についてのいわゆる「音声至上主義」を人類学的知見によって批判する。双方が二つながら相互に影響して分かちがたいものであること、その界面を考察することの重要性、文字が最初に観念される場合もあること、「魂への真理の書き込み」(デリダ「原エクリチュール」)、二つをつなぐ「手」(触覚)の存在などが古今東西の事例で語られる。前半はとても面白いが、後半の「砂の本」~SNSといった議論はあまり説得的ではなかった(手紙が「贈与」であるという指摘は面白い)。2025/01/26
イナ
9
★★★★☆2024/09/08
タイコウチ
5
本書で著者は、人間にはまず初めに声があり、文字が生まれ、そこから文明が発展した(つまり文字こそが文明の基盤である)という「声から文字へ」という常識的なストーリーを批判するとともに、「文字は声の再現にすぎず、声より劣ったものである」といういわゆる音声中心主義も批判する。後半では、書くこと、読むこと、そして話すことの境界面が決して単層的ではないという観点から、文字と声が複雑に交錯するさまを、『平家物語』『耳なし芳一』『反=日本語論(蓮實重彦)』『砂の本(ボルヘス)』『金枝篇(フレイザー)』などを例に描き出す。2025/03/31
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