内容説明
「文字イコール文明」というイメージを覆す
「文字による伝達が生まれると文明が生まれる」と見る人類史が見落としてきた事例は多い。本書は、古代ギリシャから中世英国、近代日本、現代バリまで、「声より先に文字がある」「文字記録が信頼されない」例を集め、字を書くことと「口伝え」との境界面を探ることを通じて文明の常識を問いなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
109
面白かったです。 バリ島では文字が4種類。人間の舌の中には元々文字があって声、というのはそれが発令したもの、てユニークな考えですねえ。もしかしてヒンディー的?2024/07/23
かふ
15
文字と声の文学は厳密に分けられものでなく境界性なものである故にコミュニケーション論として人類学的考察がなされるのだ。例えば文字化(表音文字のようなアルファベット化)によって、アリストテレス時代の声は二分法になったという。それはコンピュータのオンオフと関係あるのかもしれない。それにより官僚的に支配しやすくなったと思われるが、膨大なアーカイブは参照されるまでに時間がかかり、碑文のような感情の言葉が拡散される。つまり判決文よりも個人の感情が拡散されていくのはネット社会を思い出させる。2026/02/18
内島菫
13
そもそも、声と文字は対立していないし断ち切られてもいない。片方を持ち上げるためにもう一方を貶めているに過ぎない。話し言葉が先で書き言葉は後と考えることが可能なら、話し言葉よりも前に手の動きを設定することもできる。手の動きは紋様等を刻む行為に結びつき、紋様は文字にも通じる。これがデリダのいう原エクリチュール的なものであり、どこまでも遡及できる、あるいはずらせる差延であり、トートロジーでもあると私は解釈している。2026/02/06
かんがく
11
人類学の視点から言葉のもつ「声(聴覚)」と「文字(視覚)」という2つの要素について分析していく本。デリダ、マクルーハン、柳田國男、小泉八雲、平家物語、ボルヘス、金枝篇、笑い飯、Twitterなど多岐にわたるテーマが扱われていて楽しく読めた。2024/06/09
gorgeanalogue
9
音声言語と文字言語についてのいわゆる「音声至上主義」を人類学的知見によって批判する。双方が二つながら相互に影響して分かちがたいものであること、その界面を考察することの重要性、文字が最初に観念される場合もあること、「魂への真理の書き込み」(デリダ「原エクリチュール」)、二つをつなぐ「手」(触覚)の存在などが古今東西の事例で語られる。前半はとても面白いが、後半の「砂の本」~SNSといった議論はあまり説得的ではなかった(手紙が「贈与」であるという指摘は面白い)。2025/01/26
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