内容説明
「文字イコール文明」というイメージを覆す
「文字による伝達が生まれると文明が生まれる」と見る人類史が見落としてきた事例は多い。本書は、古代ギリシャから中世英国、近代日本、現代バリまで、「声より先に文字がある」「文字記録が信頼されない」例を集め、字を書くことと「口伝え」との境界面を探ることを通じて文明の常識を問いなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふせん
3
西洋の書き言葉が表音文字であるため、声によって意味される物が根源的なものという音声中心主義が展開される。しかし、実際は表意文字を考慮していないという説明について自分も誤解していたため面白かった。 また、文字が普及して時間がたっている現代でもアーカイブ気質になるのは難しいため、ドキュメント気質から抜け出せないのは納得。2024/03/31
Teo
0
先日「古代文字の解読」を読んだので勝手にこの本も言語における声から文字への発展の内容かと思ったら全然違った。声が先で文字が後と言う西洋的な一般の考え方と違う関係などを書いているけど、特に序盤の章では昨今のSNSにおける「活字」にも相当する文字の存在を無視している感じで、そこからもうずっと引っ掛かっていた。2024/04/18