内容説明
一条院内裏が火事で焼けてしまう。幸い一条天皇をはじめ中宮・彰子や敦成親王、紫式部は難を逃れたが、この一件をきっかけに藤原道長の心は、再び皇后定子の実子・敦康親王の排斥へと動き出す。紫式部は彰子の意を受け、道長の心を少しでも変えようと、『源氏物語』の新しい帖で光源氏の零落をこれでもかとばかりに描き出すことにする。そんな折、今度は一条天皇の病が進行し、譲位が現実味を帯びてくる。道長の野望を阻止すべく、彰子と紫式部が考えた策とは!? 好評平安王朝絵巻第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
34
彰子の強い意志とそれを支える紫式部との関係が素敵。2024/03/26
のびすけ
27
シリーズ第2弾。次期東宮をめぐって彰子様と道長との溝が決定的になってしまった。彰子様を支えようと、紫式部、和泉式部、伊勢大輔ら女房たちの深まる絆がとてもいい。紫式部が加筆して出し直した源氏物語「若菜下」に込めた思い。源氏物語の世界とのリンクが面白い。2024/04/07
よっち
26
落雷による火事で焼けてしまった一条院内裏。この一件をきっかけに藤原道長が再び皇后定子の実子・敦康親王廃立へと動き出す第2弾。幸い一条天皇をはじめ中宮彰子や敦成親王とともに難を逃れて、彰子の意を受けて道長の心を少しでも変えようと、『源氏物語』第二部で主人公・光源氏の零落をこれでもかとばかりに描き出す紫式部。一条天皇の病が悪化して譲位が現実味を帯びてくる中、道長の野望を阻止すべく動く彰子と紫式部という構図でしたけど、今回はなるべくしてなった結末という気もしましたし、深まっていく女房たち同士の絆も良かったです。2024/04/22
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
12
源氏物語あやときシリーズ二巻。表紙絵が変わって印象の違う紫式部になった。彰子様が変わったのは彼女のおかげ。道長が恐れるくらいに。〈言霊〉は強く響いて弱った道長は傑作。歴史の流れとともに「国母の女房」はどう生きるのだろう。2024/02/28
punto
4
二巻目。道長の権力欲と彰子の人柄と。実際、物語を書く傍らで、政治含めた現実があったはずで、それが物語に影響を与えるのは極めて自然。日本史上まれにみる女流文学が花開いた時代。千年を超えて残った傑作はやはり尊いと思う。2024/04/14