内容説明
紫式部は、いまを時めく最高権力者である藤原道長に物語の才能を認められ、道長の娘である中宮彰子に仕えることになった。父の操り人形から脱却し、真の国母へと変わろうともがく彰子の姿を目の当たりにした紫式部は、彰子を支えるためにも『源氏物語』を書き続けていこうと決意する。それは同時に、現実の政に悪戦苦闘する道長にも救済の手を伸ばす目的があった。千年の時を超えてなお輝きを放つ『源氏物語』をめぐる、絢爛たる平安王朝絵巻第一弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
藤原道長の正室・源倫子に物語の才能を認められ、倫子に仕えることになったた紫式部。さらに書き始めた『源氏物語』が道長の目にとまったことで、中宮彰子お付きの女房となる平安王朝絵巻。敦康親王が生まれて父・道長の操り人形から国母へと変わろうともがく彰子を支えながら、源氏物語を書き続けていこうと決意する紫式部。源氏物語が気になっていろいろちょっかいを出してくる道長には苦笑いでしたけど、様々な権力闘争の様子も描きながら、彰子のためにと覚悟を決めている紫式部自身が、源氏物語を通じて伊周を諭す場面はなかなか印象的でした。2023/11/27
坂城 弥生
30
紫式部と中宮彰子の物語。2023/11/17
のびすけ
24
道長の思惑と彰子の願いを巻き込み、紫式部は源氏物語を紡いでいく。源氏物語そのものの魅力にも触れながら、宮中の不穏な動きや彰子と紫式部の信頼関係を描いていて面白い。彰子と紫式部が物語という言霊で挑む戦い、次巻も楽しみ。2024/03/01
らび
24
平安もの大好きです。大河に向けて紫式部関連の書籍がずらーと並んでるしいろいろ摘まんでみようと手に取りました。政治的要素より「言霊」を取り入れたのは面白かったです。しかしあまり印象には残らないかな。シリーズらしいですが追わない。2023/12/07
お涼
23
藤原道長に才能を認められ、中宮彰子に仕えることになった紫式部。源氏物語を政治に利用したい道長とそれを逆に利用した紫式部の対比が面白い。言霊ってやっぱりあると思う。だからなるべく自分が嫌だと思う言葉は使わないようにしてる。ちょこちょこ『源氏物語』の話が出てくるのがいい。2024/01/29