内容説明
39歳の光源氏は、冷泉帝(藤壺との不義の子)により、天皇に次ぐ最高の地位を手にし、私生活では、広大な邸宅に紫上をはじめ、愛する女人たちを住まわせる。公私ともに栄華を極める彼だったが、ひとりの女人の登場で予想外の展開に――。千年の時を越えて読みつがれる華麗なる王朝絵巻「源氏物語」を、女性たちの声で描き直す「瀬戸内源氏」。本巻では年齢や立場、性格などさまざまな女人が登場し、「女性にとって真の幸福とは?」という現代に通じる問いに答える。※2023年12月に発売した集英社文庫を底本にしています。重複購入にご注意ください。
目次
夕顔の侍女右近のかたる 玉鬘
玉鬘のかたる 蛍
夕顔の侍女右近のかたる 藤袴
近江の君のかたる 常夏
明石上のかたる 初音
紫上のかたる 梅枝
夕霧の乳母宰相の君のかたる 藤裏葉
紫上のかたる 双華
女三の宮の乳母のかたる 若菜
紫上のかたる 女三の宮
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
RASCAL
10
第三巻は光源氏の絶頂期、準太政天皇の地位に上り詰め、大きな屋敷を築いて自分の女たちを住まわし、さらに朱雀上皇から娘の女三宮を託される。中年になっても口先とエッチで女たちの不満をごまかす光源氏、紫の上と明石の君の独白が何とも。2024/12/06
ときわ
8
原作での近江の君の扱いは読んでいて不愉快になる。寂聴さんもそうだったのかな。原作にないラストを用意してくれ、救われた気になる。他の方の源氏でもそんな風に変えてくれたのを読んだこともあった。紫式部はどう思ってこれを書いたんだろう。この三巻目で寂聴さんがえぐるように書いたのは紫の上の気持ち。作品の中で恵まれた女君とされているが、どこか苦しいのが紫の上。そこをとことん突き詰めてあらわにしている。光源氏のお気楽振りと対比しているので、一層辛さが伝わってきた。2024/05/04
デジ姫
6
32年前に読んだ女人源氏物語、旅行先で読もうと3冊持って行った。その3冊読み終わったから時間つぶすものが無くなったから仕方なく京都から帰宅。2024/12/03
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