内容説明
千年の時を越えて読みつがれる華麗なる王朝絵巻「源氏物語」を、女性たちの声で描き直す「瀬戸内源氏」。本巻では比類なき美貌と知性を持つ宮廷一の貴公子・光源氏の誕生から、成長して出世していくさまを描く。亡き母の面影を慕い、年上の女性たちに魅かれる源氏は、ついに父帝の女御と一線を超えてしまい――。1988年から89年にかけて刊行された現代語訳のさきがけにして「源氏ブーム」の火付け役・瀬戸内寂聴があなたを鮮烈な世界に誘う。全5巻連続刊行!※2023年10月に発売した集英社文庫を底本にしています。重複購入にご注意ください
目次
桐壺更衣のかたる 桐壺
靫負命婦のかたる 光君
空蝉のかたる 空蝉
夕顔の侍女右近のかたる 夕顔
夕顔の侍女右近のかたる 撫子
藤壺の侍女弁の君のかたる かがやく日の宮
藤壺の侍女弁の君のかたる 藤壺
紫上の祖母尼君 乳母の少納言のかたる 若紫
葵上のかたる 葵
六条御息所のかたる 紫炎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠雨
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源氏物語を読んだことはない。本編知らないのに外伝を読んでいるようなものだから、車争いのエピソードとかも知らないのだけど、想起しやすい構成だった。もちろん、原作知ってる状態で読んだほうが面白いとは思う。 とにかく光源氏が罪な男すぎて、どれほどの女が泣かされているかというのが切々と描かれている。あんな男、どこがいいのよって反発する女が一人くらいいても良さそうなのに、みんな彼に未練があって、逆にそれが光源氏の超人さを物語っている。大河ドラマを機に読んだので、作者に焦点をあてた作品も楽しみ。2024/01/19