内容説明
後宮――それは、誰もが愛を求め欲に惑う、この世で最も豪華な牢獄。『後宮史華伝』シリーズ本編では語られることのなかった、大凱帝国の後宮に生きる皇族や美姫、宦官たちの秘話が今明かされる。入朝した鬼淵国王太子・凌炎鷲に、宣祐帝の皇后として「再会」した尹白シュは――。(昔日)ある年老いた宦官が語るのは、紹景帝を廃位に追い込んだ「賊龍の案」の真実だった。(日月を双べ懸けて乾坤を照らす)ほか、珠玉の逸話全15編を収録。
目次
昔日(後宮染華伝 番外編)
日月を双べ懸けて乾坤を照らす(後宮染華伝 番外編)
鴛鴦の衾(後宮戯華伝 番外編)
親王画眉(後宮茶華伝 番外編)
亡者の恋(後宮戯華伝 番外編)
喪失(後宮戯華伝 番外編)
禁色の閨(後宮染華伝 番外編)
君を怨み君を恨み君が愛を恃む(後宮茶華伝 番外編)
比目の魚(後宮染華伝 番外編)
烏鳥の私情(後宮戯華伝 番外編)
殷雷(後宮茶華伝 番外編)
夜半の月(後宮染華伝 番外編)
卵翼の恩(後宮茶華伝 番外編)
夕化粧(後宮茶華伝 番外編)
梨花万片 東風を追う(後宮戯華伝 番外編)
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
34
「後宮シリーズ」短編集。「後宮史華伝」シリーズ本編では語られることのなかった、大凱帝国の後宮に生きる皇族や美姫、宦官たちの秘話15編。登場人物が多いこのシリーズ、主役は皇室の男性とその配偶者と言うパターンが通常形態、そして必ず後宮には宦官がいて。宦官の裏事情は大体胸が痛くなるもので、読後感が爽やか…と言えません。このシリーズは凱帝国が終焉に向かう有様を描ききるんでしょう、多分。ここまで読んだら終わりを見届けたい思いが強くなりました。本編とは別角度から描かれた一つ一つの短編、興味深く読了しました。2024/02/13
よっち
31
シリーズ本編では語られることのなかった、大凱帝国の後宮に生きる皇族や美姫、宦官たちの秘されたエピソードを収録する『後宮史華伝』シリーズ短編集。『後宮染華伝』『後宮戯華伝』『後宮茶華伝』など、登場人物たちの前日譚や後日譚を描いたWEBマガジンや公式HP、購入者特典などで描かれた短編者SSに、書下ろしを三編加えた全十五のエピソードを掲載する構成で、もともと登場人物がかなり多いシリーズでしたけど、本編で描ききれなかった主人公たち以外の関係についても、ひとつひとつ丁寧に描かれた興味深いエピソードになっていました。2024/01/18
すみの
14
染華伝、戯華伝、茶華伝の番外編短編集。これまでにも『赤の断章』『白の断章』という短編集が電子書籍のみで読むことが可能。2024/06/06
多津子
8
オレンジ文庫になってからの3作品の番外編。WEB媒体に載せたものから描き下ろしまで。シリーズものは前作の登場人物が出てくると、その後が垣間見えて嬉しくなる。大抵は幸せが続いているから。だがこのシリーズは違う。本編が不穏な空気があってもハッピーエンドで終わるので、歴史から見えるその後がなかなかしんどい。これから更に不穏な時代になっていくそうなのでちょっと覚悟がいるかも。2024/09/16
栗山いなり
8
シリーズ本編で語られなかった秘話を収録した短編集。中華ファンタジーでありながらどこか現代の自分達にも刺さる部分を持つエピソードが多く収録されていた印象。正直言って、結構良かった2024/02/23