内容説明
都のはずれの小廟で女道士として暮らす孫月娥は、かつて暴漢から救ってくれた整斗王・高秋霆に密かに恋をしていた。女道士として仕事に追われつつ、茶を喫し茶菓を楽しむ。そんな月娥の慎ましい生活はある日一変する。突然くだされた勅命により、月娥は還俗し宗室に嫁ぐことに。しかもその相手は、月娥が焦がれてやまぬ秋霆その人であった。栄華を極める大凱帝国に、王朝転覆をもくろむ邪教の魔の手が迫るなか、胸を轟かせて想い人に嫁ぐ月娥の運命は? 華麗にして重厚。爛熟期の王朝を舞台に描かれる本格的中華寵愛史劇、第三弾!
目次
第一煎 仮初めの華燭
第二煎 赦されざる者たち
第三煎 虚虚実実
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
33
「後宮シリーズ」第十三巻。「後宮茶華伝」今作の主人公の高秋霆(今上 嘉明帝の異母兄)が後ろ向き過ぎて読んでいて辛かったです。まあ、母親が廃妃だし、前王妃のあれこれを考えると無理もないと思いましたが。勅命で秋霆の継室になった孫月娥がどう心を溶かしていくのか、ドキドキしながら読みました。怨天教団と皇室のせめぎ合い、結末はどうなるのかしら?明王朝を擬していると言うので、史実とどう変えていくのかが、これからも楽しみです。それにしても、自分で系図書きながら読んではいますが、そろそろ頭パンクしかかってます(苦笑)。2024/01/27
よっち
29
都のはずれの小廟で女道士として暮らす孫月娥。かつて暴漢から救ってくれた整斗王・高秋霆に密かに恋をしていた彼女が、突然下された勅命により還俗して宗室に嫁ぐことになる数奇な運命の物語。帝国の繁栄に翳りが見え始め邪教の隆盛する状況で、宗室に迎えられたその身に忌まわしい痣を持つ美しい月娥と、実は妻が忘れられない秋霆が仕方なく受け入れた仮初めの婚姻。想い人に嫁げた喜びと報われぬ複雑な想いを抱える月娥でしたけど、明かされてゆく整斗王の過去、そして陰謀に巻き込まれてゆく中で変わってゆく二人の関係には救われる思いでした。2023/12/19
すみの
15
シリーズの過去作品と比べると甘々な部分は少な目。そして宦官が多数登場するので、その都度人物相関図で確認(苦笑)。中華作品、私の頭の中では漢字が踊ってます。今作はお茶がテーマ。2024/06/04
かなで
10
再読2024/06/19
栗山いなり
10
女道士・月娥と彼女が恋する秋霆との恋模様と彼らの周囲の人々と凱王朝の動きを描いた中華ファンタジー小説。400ページ超えの大作だったから読むのが結構大変だった。内容は悪くなかったしハッピーエンドで終わって良かったけどね2024/03/09
-
- 電子書籍
- 悪役令嬢がポンコツすぎて、王子と婚約破…
-
- 電子書籍
- 歴史読本2013年4月号電子特別版「日…