内容説明
女性は御簾に隠れるべき存在だった時代、紫の上は軽やかに駆ける少女として描かれた。作家が物語に託した革新的なアンチテーゼは、一千年後の読者である我々にも届いている。現代の作家・橋本治が書き手の孤独と希望に寄り添いつつ、世紀の長篇を読み解く。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」後篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
14
源氏物語を読む上で現代感覚とは異なることを理解しておかねばならない「美しさ」「愛」の意味について論じている部分が興味深い。ジェンダー論に照らして考えてしまうと滅茶苦茶な部分はもちろんあるのだけれど。この手の書を読むとまた読みたくなってしまう源氏物語の吸引力もまた凄い。2024/02/15
眉毛ごもら
4
著者の源氏の君に対する男君の熱い想いが語られていたのであ…はい…ってなりましたね。そこのインパクトが強すぎて玉鬘とか紫の上とか浮舟とか私の脳内から飛んでいったわ。私があさきゆめみしや各種訳本読んだ時の腐女子思考に行くの頭中将と小君ぐらいだったから、桐壺帝、朱雀帝、冷泉帝の近親者とのアレヤコレヤは想定外。親族間の親愛だと思ってたし今後もそう思って生きていきます。玉鬘で男たちを弄んでからかおうとしたら玉鬘可愛すぎて血迷ったは同意するけどそこにBL成分はなかったと思うがそういう二次創作としては読んでも良いかも。2024/03/14