内容説明
「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」前篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
源氏物語の見方が面白かったです。男性への復讐心で描いたというのが強烈でした。恋物語を男性目線で見た源氏物語のエッセイと言えますね。下巻も読みます。2024/05/12
NORI
30
読み友さん紹介本。光源氏一人称が特徴的な現代語訳「窯変源氏物語」の著者・橋本治さんが語る、源氏物語論。作中の突っ込みどころ。各論的蘊蓄。現代語訳でのこだわりポイント解説。400ぺージ越え×上下巻なので、気になりつつ保留にしていたけど、読み始めたらサクサク進んだ。源氏物語を読んだことある人向けのマニア本だが、時代背景や各人物が置かれている状況の背景解説も丁寧で、これから読む方やドロップアウトしたけどまた取り組みたい方が周辺知識を整理するのにも有効。その場合、気になるところだけの"摘まみ読み"でも良いと思う。2025/06/24
LUNE MER
13
同著者の「窯変源氏物語」を既読であれば、その創作秘話とも言うべきエピソードや原典への考察に触れることができる本書の面白さは増す。既読でなくとも、独自の考察は本当に面白く、他の研究者や作家達の考察と比較すると相違点は様々あろうし、源氏物語の愛読者個々が抱く作品世界と合う合わないもあると思うが、深い知見に裏打ちされた源氏物語の考察はそれ自身が興味深い作品となる。自分にとっての源氏物語をこのレベルで誰かと語り合うためにはどれだけ深く原典を読み込まねばならぬことやら。無理だ…2024/02/14
眉毛ごもら
3
三十年以上前の男性の視点から見た源氏物語のエッセイ。男は空虚で女は頼りないが弘徽殿の女御が例外的に雄々しいとか。空蝉のところの小君はともかく紅梅ちゃんもアッー!だった可能性、頭中将だけじゃなくて桐壺帝も朱雀帝も源氏の君LOVEだったろとか濃いのである。これ著された時はBLという言葉がなかったので女学生の同性愛趣味とかいうなんかお耽美な呼び方されてワロタ。小右記同時代記録の話が最後におまけで載ってる対談以外あまり出てこないのは現在からするとレアかも。全部が全部同意できるわけではないが面白い視点が多かった。2024/03/08
satooko
2
登場人物の年齢についての考察など、今まで何となく思っていたものと違っているのが新鮮。やはり源氏物語の内容より、紫式部のすごさを指摘しているのも大いにうなづく。2024/11/25
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