となりの史学―戦前の日本と世界

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となりの史学―戦前の日本と世界

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784620328379
  • NDC分類 319.1
  • Cコード C0031

出版社内容情報

東大教授の加藤陽子氏とイラストルポライターのモリナガ・ヨウ氏が、戦前の外交史をひもとく。競存から緊張へ変化した日中関係、何が日ロ関係を転換させたか、日本人の英国観の変遷、東アジアの情勢にみる日独関係――歴史から日本の未来を探る。

内容説明

日本近代史をはじめ、隣接領域である西洋史、東洋史、グローバルヒストリーなど世界史の面白さを堪能。歴史学者と手描きイラストルポライターによる類を見ない画期的な一冊!なぜ戦争は避けられなかったのか。日本近代史の視点で世界史を横断し、「世界の中の日本」を捉え直す。私たちは今、何をすべきか。

目次

第1章 日中の戦争観―歴史認識を問い直す[日本と中国1](海の向こうは… 世界の中の日本と中国『国境を越える歴史認識 日中対話の試み』―1;重慶で私も考えた 中国重慶の国際会議で触れた中国研究の最前線『国境を越える歴史認識 日中対話の試み』―2 ほか)
第2章 競存から緊張へ変化した日中関係―私たちは今、何をすべきか[日本と中国2](苦難の中の日中関係 対立と共存『対立と共存の歴史認識 日中関係150年』―1;日中関係、どこからやり直すか 『対立と共存の歴史認識 日中関係150年』―2 ほか)
第3章 西洋と東洋を結ぶ架け橋へ―何が日ロ関係を転換させたか[日本とロシア](ロシアが残した日本史への刻印 『日ロ関係史 パラレル・ヒストリーの挑戦』―1;花も実もある日露関係 拮抗する二国関係において「真実ならざるもの」を見抜く『日ロ関係史 パラレル・ヒストリーの挑戦』―2 ほか)
第4章 明治日本はイギリスに何を求めたのか―日本人の英国観の変遷[日本と英国](一つに収斂しない日英関係の姿 『日英交流史 1600‐2000』全5巻―1;ギャップに満ちた日英関係 『日英交流史 1600‐2000』全5巻―2 ほか)
第5章 東アジアの国際情勢にみる日独関係―「同盟」の真のかたちとは[日本とドイツ](東アジア情勢の中で語られる日独関係 『日独関係史 一八九〇‐一九四五』―1;日独関係における相互イメージ 『日独関係史 一八九〇‐一九四五』―2 ほか)

著者等紹介

加藤陽子[カトウヨウコ]
1960年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。1989年、東京大学大学院博士課程修了。山梨大学助教授、スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員などを経て現職。専攻は日本近現代史。2010年、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)で小林秀雄賞受賞。『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)で紀伊國屋じんぶん大賞2017受賞

モリナガ・ヨウ[モリナガヨウ]
1966年、東京都生まれ。画文家、イラストレーター、絵本作家。早稲田大学教育学部地理歴史専修卒業。学生時代は漫画研究会に所属。大学在学中よりカットイラストの仕事を始め、イラストルポで独自の世界を築く。著書に『築地市場 絵でみる魚市場の一日』(小峰書店、第63回産経児童出版文化賞大賞を受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がらくたどん

51
世界がこんなに必死のマイホーム主義になる前に且て日本が戦争をした国々との二国間関係の歴史認識を洗い直す共同研究が成立した奇跡のような時期があった。その資料から戦争に至る判断を支えた双方の歴史認識(指導者の意図や国民の意識)を読み解こうという輪読企画。相手がどう考えてそう動いたのかを知る事は「国が違えば見ている歴史が全然違う」という驚きと共に、私たちにはそれぞれの見え方を突き合わせて違いや共通点を共に考え未来に繋げる道「も」あることを教えてくれる。自分の庭から視線を上げて自国史を抱え隣の芝生を訪ねてみよう♪2025/09/12

18
中国ロシアドイチュにえげれす…、物理的に距離感的におとなりの国から日本を見た史学。「中国史では国際法的に手続法的に正しい侵略行為というものを想定しない」アー。現代日本のための中国史が日本では教えられ、中国はその逆。「日本は古代中国の偉人たちを見続け、中国は近代日本の侵略者たちを見続けている」アー。加藤先生の史観と知性がだいすき。モリナガヨウさんの絵もとても面白く、図解工事現場を今度読もうと思いました。2025/08/13

ダージリン

4
終戦80周年ということもあり、少し戦争について学ぼうと加藤陽子さんを読む。中国、イギリス、ドイツ、ソ連との関係についての学術書を紹介していき、多様な視点からの研究を紹介する形になっている。気楽な筆致ではあるが、内容はレベルが高くて、さほど知識がない私には難しいところもあった。当時の社会は日本に限らず現代とはあまりにも乖離があり、なかなか正しく理解することは難しいだろうが、近接していく試みは着実に進められていることを知る。2025/07/27

Susumu Kobayashi

3
やはり書店で平積みになっていて、表紙絵を見て誘われてしまった本。前に『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読んでいたし。近代史を、論文や学術書を読みながら、日本中心ではなく他国からの視点も取り入れて概説している本。桂太郎の項で、ニコポンの語源を知った。マックス・ヴェーバーによれば、「政治は国家の指導に影響を与えようとする行為」で、政治的人間の必須要素として、情熱、判断力、責任感の三点を挙げたそうだ。いずれも現代日本の政治家に欠けているようにしか見えない。モリナガ・ヨウの絵がいい。2025/08/11

mura

2
入門本と思って読んだら、マニアックですごく良かった。こういう近代史系にありがちな、反戦半日な思想もなく、最近ありがちな、中韓だめだ日本すごいだろ的な感じもなく、感心した。著者の加藤陽子東大大学院教授だそうだが、こんな人がいる日本はまだまだ大丈夫だ。モリナガ・ヨウ氏の絵もまたマニアックでおもしろかった。ただこういう本は残念ながらあまり万人受けしないんだろうな。自分はエリートとは程遠い人間なのでおこがましいが、未来のエリートになる大学生とか若者に読んでほしい。2025/08/24

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