内容説明
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連邦領内を騒がす自爆テロ、〈レギオン〉の猛攻に疲弊する最前線、大量発生する避難民への対応。
憶測と疑心と悪意がさらなる混乱を生むなか、誰かがぽつりとこう言った。連邦政府は〈レギオン〉を一掃する兵器を秘匿している。誰かが言った。共和国の連中は〈レギオン〉どもと内通している。誰かが言った。俺たちが助けてやった、〈エイティシックス〉どもは……誰かが、ダレかが。ああ、『俺たち』以外の誰かのせいで――!
そして――最悪のタイミングで一部の共和国民が武装蜂起を決行し独立を宣言。前線で撤退支援に従事する機動打撃群も鎮圧に動員されることになる。しかし、彼らの女王陛下たるレーナがいまだ後方に留め置かれたままで、シンは心をかき乱し続ける。
時を同じくして、ユートはチトリたち〈仔鹿〉をともない、共和国領にある彼女たちの故郷を目指す旅を続けていた。旅のなかで育まれる友情、そして愛情。境遇を同じくして、しかしともに歩めなかった彼女たちとの、最初で最後の旅路……
一方、ユートからの『伝言』を受け取ったダスティンは過去と現在の狭間で苦悩し、彼の様子にアンジュは自己を苛む。
青銀の髪を持つ彼女は、白銀の瞳を持つ彼に言った。
――ずるくいてね。
淡紫の瞳を持つ彼女は、淡金の髪を持つ彼に言った。
――きっとあなたは私を忘れないね。
おそらく人々は知らない。相反するはずの愛と呪いが、じつはよく似た形をしていることを。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
大君主作戦による反攻を期したタイミングで起きた連邦領内を騒がす自爆テロ。共和国が作り上げた仔鹿という人間爆弾の存在が明らかになる第十三弾。レギオンの猛攻に疲弊する最前線、大量発生する避難民への対応。そんな中で起きたテロに加えて、最悪のタイミングで起きた一部共和国民の武装蜂起。時を同じくしてチトリたち仔鹿を伴い、共和国領の故郷を目指す旅に出るユート。人はここまで非道なことができるのか、簡単には変わらない現実を痛感させられる展開でしたけど、直面する状況に葛藤しながらもしっかり向き合った彼らの姿が印象的でした。2024/01/10
なみ
25
過酷な戦場を、誇りと祈り、正義と覚悟が駆けるシリーズ13作目。今まで以上に視点の切り替わりが多く、シンだけでなく、様々なキャラクターが主人公となった巻でした。 死に行く仲間と最後まで共にあるために。子どもたちを悲しませないために。魔女の呪いを、呪いにしないために。 全てを捨ててでも、大切なもののために──。 強くて、だけど脆い彼らの心が流れ込んでくるような、鋭利な文章が圧巻でした。 あと暴走するシンを蹴り飛ばすライデン、めちゃくちゃ良い。 集団的な悪意に立ち向かうエイティシックスたちの最終篇が楽しみです!2024/01/14
和尚
20
13巻。 アンジュとダスティン。ユートとチトリの物語。そしてここにきて、86区が出来上がる様を。 読みながらずっと感情が揺れ動かされてました。 最後も、もうなんなんですか、ほんとになんなんですかね。 最高に面白いです。続きを早くよろしくお願いします。2024/01/20
Comit
17
Audible~86シリーズ第13弾【-届かない想い編-】連邦領内での自爆テロやレギオンの猛攻により混乱が広がる中、共和国民が武装蜂起するという最悪の状況を描く。シンはレーナが後方に留め置かれ心を乱し、ユートはチトリ達“子鹿”と共に故郷である共和国を目指す。ダスティンはユートからの伝言に苦悩し、アンジュは彼の様子に心を痛める~恐怖が人を変える。市民達の呆れ返る程の差別思考と責任転嫁能力には開いた口が塞がらない。エルンストの言動も理解できなくもないが、それが正しいかはまた別の話。現行巻にやっと追い付いた💦2025/07/16
みどり
17
重い話だった。特にラストには特大の爆弾がかまされていて、早く続きが読みたいと思った。結局人の醜さがすべての原因なんだよねと言うお話で。スケープゴートとしてリトが酷い扱いで、なぜ?と思ってしまう。愛と言う名の呪いにも思うところが大きかった。最終的に弱いものにすべて押し付けることは人間には誰しもあるけれど、すごく後味が悪かった。次巻以降の最終章で皆が「納得」して終わる展開になるといいのだけれど。2024/01/14
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