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内容説明
シャリバルテ王国の皇太子は、広い王宮で孤独な時を過ごしていた。正気を失った母、異母弟マグレブとの確執、父王の死……。やがて王に即位した彼は、美しい容姿を称えられ「月光王」と呼ばれる。勇猛な王は近隣国への侵略戦争を始め、海沿いの王国ペアンの第十二王女オルガを妃にするが、輿入れした王女はまだ幼い少女であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
18
絶望を知る者同士が重なり合う時、絶望と絶望は化学反応を起こし希望へと姿を変えるのか、それとも単なる足し算(もしくは掛け算)となって絶望を肥大化させてしまうのか。虐げる者と虐げられる者というパワーバランスが揺らぐ事態は、微かな希望を感じさせはする。しかし理解しようと、あるいは救おうと近付けば近付くほど、見えなかった事柄が見えてくる。それは幸福を招くのか、それとも不幸を呼ぶのか。白と黒による世界の反転は、シンプルかつ易しいがゆえに残酷さを伴う。2024/01/27
辺辺
9
え~と、このシリーズ出るのが遅すぎて、前はなんだっけ?て状態になってる頭。とはいえ、明日美子さんの描く残酷も美しい物語に引き込まれる。前々から、思ってたけど、ロリ度高いな!今回は百合も入ってるね。本当に、何でも描けるなんて羨ましいです。このおとぎ話どこまで続くのかしら?2024/04/20
miaou_u
9
残虐非道な月光王と、幼い妃の出会い編。いつの世も、最初に犠牲となるのは女性と子供だ。中村明日美子さんのX(旧Twitter)を拝見していると、時折、世の中、世界への強い怒りが伝わってきます。そんな想いが、中村明日美子さんの世界観から作品から、噴出しているかのようです。2024/01/28
ozoz
8
髪ひとすじ、衣の先まで美しい世界。切なさに満ちた世界に幼い少女。気高く美しい黒髪と、その口調にすっかりひたる。この世界観唯一無二。2024/02/03
にぃと
7
美麗ながら獰猛な王とそんな彼に征服された国から嫁いできた幼き王妃とか心を通わせていく物語、というといかにも定番っぽいがキャラクターの魅力と描写がそんじょそこらの作品とは違う面白さになっている。最初は堅物かと思われてた王妃さまが表情豊かになっていくのも、コミックス1冊以上のボリュームがあるように感じられる。毎巻読むたびに続きが気になるが、なかなか刊行ペースがゆっくりなので待ち遠しい。2024/01/21