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内容説明
紫の瞳のアーダルテ。青い瞳のアードルテ。一人は優しき皇子として光に包まれ、もう一人は幽閉の身として暗闇に潜む。別々の道をたどる双子の宿命を描く「アードルテとアーダルテ」シリーズの他、英雄とうたわれる美しい王と、彼に仕える謎めいた男の因縁を描く「王と側近」シリーズを収録。はるか異国を舞台に綴られる、大人の寓話ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
70
アラビアンナイトのように美しい世界が広がる、此方彼方よりはるか遠い、ある王国の物語。1人は皇子として、1人は幽閉の身として、別々の道を生きてきた双子のアードルテとアーダルテ。蒼く透き通る長髪をなびかせる月光王と訳ありの側近。心の通じ合う双子に課せられた遊牧の民の掟。いつの世も王には世継ぎがおらず、弟は兄を殺そうとするもの__。不穏で切ない予感を孕む3つのシリーズ。広大で静謐な美しい砂漠にぼんやりと不安が広がるように、魂が根こそぎ持っていかれる鳥肌ものの耽美な大人の寓話。2019/01/27
Nyah
41
「アードルテとアーダルテ」瞳の色が違う双子。一人は皇子、もう一人は幽閉されている。「王子と乞食」みたいだけど、二人で、のちに三人で。そのうち別々に人生を歩む姿が違うかな。/「王と側近」英雄と讃えられる王と、王の側近。側近が王の暗殺を企み、それがバレたところから始まる。/ 美しい絵。ウマが小さいドラゴン。2021/11/01
honoka
40
まさかの「初」FT。美しくアーティスティックな曲線と構図が見事。一般とわかっていても美しい双子のお話2編に妖しい香ほりを探してしまう。2018/07/21
辺辺
36
美しいの一言ですね。兄弟大好きな己にとって、双子というのが凄くツボる設定でした。2018/07/28
ぐうぐう
33
中村明日美子、初のファンタジー。初とは到底思えない、堂々たる貫禄が全ページ、全コマから漂い、放たれている。中村明日美子ほど、余白を意識し、その効力を理解している漫画家はいない。それは空白であって、空白ではない。あえて何も描かないことで、そこに意味が生まれる。空白があるから、描かれた画が映えるのだ。空白は、画だけの話ではない。第1話「アードルテとアーダルテ」が発表されたのは2011年。続く「アーダルテとアードルテ」は、それから6年が経過した2017年に発表される。(つづく)2018/07/20