人間晩年図巻 1990-94年

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人間晩年図巻 1990-94年

  • 著者名:関川夏央
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 岩波書店(2023/11発売)
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  • ISBN:9784000611398

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内容説明

山田風太郎『人間臨終図巻』の衣鉢を継ぐ新たな「図巻」が誕生.一九九〇年代を舞台に,世界的スターから市井の人まで,悲喜こもごもの晩年を匠の筆で描き出す.あの人はどんな晩年を送ったのか? 彼らが世を去った90年代とはいかなる時代だったのか? 本書には田中角栄,アイルトン・セナ,長谷川町子,「風船おじさん」らを収録.

目次

■『人間晩年図巻 1990-94年』
1990年に死んだ人々
栃錦(春日野)清隆(脳梗塞/肺炎・64歳)……渋好みのコドモが愛した横綱
成田三樹夫(胃がん・55歳)……自由律俳句好きの悪役
グレタ・ガルボ(肺炎/腎機能障害・84歳)……「ガルボが笑う!」
池波正太郎(急性白血病・67歳)……「人間は死ぬために,生きはじめる」
藤山寛美(肝硬変・60歳)……「阿呆」の天才
幸田 文(心不全・86歳)……「崩れ」を見に行く
1991年に死んだ人々
江 青(縊死・77歳)……悪いのはやっぱり毛沢東
中島 葵(子宮頸がん・45歳)……数奇な血統の女優
カティア・クラフト/モーリス・クラフト/ハリー・グリッケン(事故死)……普賢岳大火砕流に飲み込まれた火山学者たち
山本七平(膵臓がん・69歳)……地獄からの生還者の戦後46年
相田みつを(脳内出血・67歳)……評価に苦しむ作品と人生
1992年に死んだ人々
中村曜子(ALS.65歳)……「松本清張的世界」最後の登場人物
山村新治郎(殺人被害・58歳)……なんでこうなった?
尾崎 豊(肺水腫・26歳)……ひたすら急ぐ青春
小池重明(肝硬変・44歳)……「破滅型」は破滅する
長谷川町子(脳血腫・72歳)……女たちだけの家
大山康晴(肝臓がん・69歳)……老天才の執念
中上健次(腎臓がん・46歳)/永山則夫(刑死・48歳)……同年に上京した二人の人生
寺田ヒロオ(静脈瘤破裂・61歳)……「真実一路」のマンガ家,その長い晩年
太地喜和子(事故死・48歳)……深夜の海に転落
風船おじさん(鈴木嘉和)(冒険事故死?.52歳?)……ジェット気流に乗ってアメリカへ行こう
1993年に死んだ人々
オードリー・ヘップバーン(大腸がん・63歳)……ヨーロッパの影を生きた「妖精」
神永昭夫(直腸がん・56歳)……柔道家たちの秋
山本満喜子(老衰・80歳)……「エドの舞踏会」の孫娘
ハナ肇(肝臓がん・63歳)……「お父っつぁん,お粥ができたわよ」
山本安英(急性呼吸不全・90歳)……「健やかにゆくものは,とおく行く」
マキノ雅弘(慢性呼吸不全・85歳)……生涯261本
田中角栄(脳梗塞・75歳)……父の恨みを娘が継ぐ
逸見政孝(胃がん・48歳)……司会者として死にたかった人
1994年に死んだ人々
安井かずみ(肺がん・55歳)……「理想的夫婦」といわれた17年
アイルトン・セナ(レース中の事故死・34歳)……攻撃的天才の死
金日成(心筋梗塞・82歳)……どうする? 銅像と肖像画は
吉行淳之介(肝臓がん・70歳)……「真面目な蕩児」の病気人生
乙羽信子(肝臓がん・70歳)……「タカラヅカの娘」の一途な生涯
あとがき
■『人間晩年図巻 1995-99年』
1995年に死んだ人々
内村健一(腎不全・68歳)……「天下一家の会」という無限連鎖講を考案した男
金子信雄(細菌性敗血症・71歳)……「美少年」から「セコい親分」への道のり
城 達也(食道がんの肝臓転移・63歳)……「いつの日か,雲の彼方で……」
山田康雄(脳出血・62歳)……「ルパン三世」たちの人生
テレサ・テン(気管支喘息・42歳)……昼は鄧小平が語り,夜は鄧麗君が歌う
公文 公(肺炎による急性呼吸不全・81歳)……「ごくどう」したいから「公文式」を開発
1996年に死んだ人々
横山やすし(肝硬変・51歳)……好きでもない酒で命を縮めた漫才師
司馬遼太郎(腹部大動脈瘤破裂・72歳)……「歴史青春小説家」から「憂国」の人へ
金丸 信(脳梗塞・81歳)……晩節ほど大事なものはない
難波康子(遭難死・47歳)……エベレスト大量遭難の一日
浅原正基(肺がん・79歳)……最後まで「ソ連」ひとすじだった「シベリア天皇」
フランキー堺(肝不全・67歳)……早熟の悲しみ
渥美 清(転移性肺がん・68歳)……渥美清として生き,田所康雄として死ぬ
1997年に死んだ人々
藤沢周平(肝不全・69歳)……「普通」であろうと努力した作家
鄧 小平(パーキンソン病と肺感染症の合併症・92歳)……不倒翁倒了
萬屋錦之介(中咽頭がん・64歳)……多病多婚
大津高幸(喘息発作・51歳)……「あさま山荘」で狙撃された機動隊員
勝新太郎(下咽頭がん・65歳)……「映画スター」を演じきった男
ダイアナ・スペンサー(交通事故・36歳)……やっぱりシートベルト
金杉忠男(がん・56歳)……下町の「追憶の天才」
伊丹十三(自殺・64歳)……自在な「容器」の華麗な「退屈」
三船敏郎(多臓器不全・77歳)……几帳面な乱暴者の生涯
1998年に死んだ人々
剣晃敏志(汎血球減少症・30歳)……「大食細胞」に敗れた力士
尾嶋 彰(殺人被害・56歳)……パリの空の下,殺人者も闊歩する
ポル・ポト(死因不明・69歳または72歳)……何が悪かった?
秋野 豊(殺人被害・48歳)……タジキスタンの山中で殺された研究者
森安敏明(心不全・50歳)……「豪快」であろうとした青年の軽率な失敗
村山 聖(膀胱がん・29歳)……青春即晩年
村山 実(直腸がん・61歳)……「永久欠番11」の震災体験
横井英樹(虚血性心不全・85歳)……火葬場で転がり出た銃弾
木下恵介(脳梗塞・86歳)……「仕事は楽しいに決まっている」
1999年に死んだ人々
芦田伸介(肝臓がん・81歳)……退職後の『七人の刑事』
スタンリー・キューブリック(心臓発作・70歳)……「才能あるイヤな野郎」
江藤 淳(自殺・66歳)……嵐は人の気持を砕く
寺尾五郎(大腸がん・78歳)……ものごとは見たいように見える
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

96
1990-94年というのはどんな時代だったろう?バブルがはじけ、神戸の震災の直前まで。その頃鬼籍に入られた方々、その活躍というか存在は確かによく知っている。彼(女)らの晩年の生き様が著者関川夏央さんの筆で生き生きと蘇る。最初から読み始めたが、すぐ自分が知りたい人を抜き出して読み直す。幸田文86、山村新治郎58、長谷川町子72、太地喜和子48、A・ヘップバーン63、田中角栄75、安井かずみ55、吉行淳之介70、乙羽信子70…(女性が多いな笑)思ったより若くして亡くなられている。初めて知った事柄も多かった。2021/12/08

ベイス

86
比べるのは酷なのだろうがどうしても・・・。山田風太郎の「臨終図巻」と比べると、筆力も文章構成力も人選の妙も(以下、略)。ところどころ筆者の政治的信条が垣間見えるのも残念だ。それでも、時代を駆け抜けた「人物伝記」としては十分に面白い。知っておいて損はない、ということで次巻以降も継続。2024/01/30

こばまり

60
『人間臨終図巻』は時折手に取る愛読書だが、後継作品が存在するとは知らなかった。臨終でなく晩年としたのは当時になくて今はある、個人情報の壁とのこと。90年代の死者はより身近な存在が多い。どんな寵児も才人も売れっ子も、死期迫る頃は一様に侘しい。2021/09/26

ma-bo

59
90年〜94年に亡くなられた方の人生や生き様を紐解きながらどんな晩年を迎えたのかを描き出す。作者より若いからか、短命だからか尾崎豊さん、逸見政孝さん、アイルトン・セナさん等私でも良く知ってる方はページ数が少ないのは残念。山田風太郎さんの「人間臨終図鑑」を借りようとしたが70年〜80年代に編纂された為、リアルタイムで知らない方または歴史上の人物が多く断念。この本の存在を知りました。2022/01/12

山田太郎

49
故人の個人情報ってどうだったっけと思いながら読む。尾崎豊なんか長生きしようがないというか若者の代弁者ってきついよな実際と思った。山田風太郎のやつは読んでいて疲れたけどこれは量がちょうどいいと思いました。2016/12/19

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