人間晩年図巻 1995-99年

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

人間晩年図巻 1995-99年

  • 著者名:関川夏央
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 岩波書店(2023/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000611404

ファイル: /

内容説明

山田風太郎『人間臨終図巻』の衣鉢を継ぐ新たな「図巻」が誕生.一九九〇年代を舞台に,世界的スターから市井の人まで,悲喜こもごもの晩年を匠の筆で描き出す.あの人はどんな晩年を送ったのか? 彼らが世を去った90年代とはいかなる時代だったのか? 本書には渥美清,ダイアナ元妃,司馬遼太郎,伊丹十三,城達也らを収録.

目次

■『人間晩年図巻 1990-94年』
1990年に死んだ人々
栃錦(春日野)清隆(脳梗塞/肺炎・64歳)……渋好みのコドモが愛した横綱
成田三樹夫(胃がん・55歳)……自由律俳句好きの悪役
グレタ・ガルボ(肺炎/腎機能障害・84歳)……「ガルボが笑う!」
池波正太郎(急性白血病・67歳)……「人間は死ぬために,生きはじめる」
藤山寛美(肝硬変・60歳)……「阿呆」の天才
幸田 文(心不全・86歳)……「崩れ」を見に行く
1991年に死んだ人々
江 青(縊死・77歳)……悪いのはやっぱり毛沢東
中島 葵(子宮頸がん・45歳)……数奇な血統の女優
カティア・クラフト/モーリス・クラフト/ハリー・グリッケン(事故死)……普賢岳大火砕流に飲み込まれた火山学者たち
山本七平(膵臓がん・69歳)……地獄からの生還者の戦後46年
相田みつを(脳内出血・67歳)……評価に苦しむ作品と人生
1992年に死んだ人々
中村曜子(ALS.65歳)……「松本清張的世界」最後の登場人物
山村新治郎(殺人被害・58歳)……なんでこうなった?
尾崎 豊(肺水腫・26歳)……ひたすら急ぐ青春
小池重明(肝硬変・44歳)……「破滅型」は破滅する
長谷川町子(脳血腫・72歳)……女たちだけの家
大山康晴(肝臓がん・69歳)……老天才の執念
中上健次(腎臓がん・46歳)/永山則夫(刑死・48歳)……同年に上京した二人の人生
寺田ヒロオ(静脈瘤破裂・61歳)……「真実一路」のマンガ家,その長い晩年
太地喜和子(事故死・48歳)……深夜の海に転落
風船おじさん(鈴木嘉和)(冒険事故死?.52歳?)……ジェット気流に乗ってアメリカへ行こう
1993年に死んだ人々
オードリー・ヘップバーン(大腸がん・63歳)……ヨーロッパの影を生きた「妖精」
神永昭夫(直腸がん・56歳)……柔道家たちの秋
山本満喜子(老衰・80歳)……「エドの舞踏会」の孫娘
ハナ肇(肝臓がん・63歳)……「お父っつぁん,お粥ができたわよ」
山本安英(急性呼吸不全・90歳)……「健やかにゆくものは,とおく行く」
マキノ雅弘(慢性呼吸不全・85歳)……生涯261本
田中角栄(脳梗塞・75歳)……父の恨みを娘が継ぐ
逸見政孝(胃がん・48歳)……司会者として死にたかった人
1994年に死んだ人々
安井かずみ(肺がん・55歳)……「理想的夫婦」といわれた17年
アイルトン・セナ(レース中の事故死・34歳)……攻撃的天才の死
金日成(心筋梗塞・82歳)……どうする? 銅像と肖像画は
吉行淳之介(肝臓がん・70歳)……「真面目な蕩児」の病気人生
乙羽信子(肝臓がん・70歳)……「タカラヅカの娘」の一途な生涯
あとがき
■『人間晩年図巻 1995-99年』
1995年に死んだ人々
内村健一(腎不全・68歳)……「天下一家の会」という無限連鎖講を考案した男
金子信雄(細菌性敗血症・71歳)……「美少年」から「セコい親分」への道のり
城 達也(食道がんの肝臓転移・63歳)……「いつの日か,雲の彼方で……」
山田康雄(脳出血・62歳)……「ルパン三世」たちの人生
テレサ・テン(気管支喘息・42歳)……昼は鄧小平が語り,夜は鄧麗君が歌う
公文 公(肺炎による急性呼吸不全・81歳)……「ごくどう」したいから「公文式」を開発
1996年に死んだ人々
横山やすし(肝硬変・51歳)……好きでもない酒で命を縮めた漫才師
司馬遼太郎(腹部大動脈瘤破裂・72歳)……「歴史青春小説家」から「憂国」の人へ
金丸 信(脳梗塞・81歳)……晩節ほど大事なものはない
難波康子(遭難死・47歳)……エベレスト大量遭難の一日
浅原正基(肺がん・79歳)……最後まで「ソ連」ひとすじだった「シベリア天皇」
フランキー堺(肝不全・67歳)……早熟の悲しみ
渥美 清(転移性肺がん・68歳)……渥美清として生き,田所康雄として死ぬ
1997年に死んだ人々
藤沢周平(肝不全・69歳)……「普通」であろうと努力した作家
鄧 小平(パーキンソン病と肺感染症の合併症・92歳)……不倒翁倒了
萬屋錦之介(中咽頭がん・64歳)……多病多婚
大津高幸(喘息発作・51歳)……「あさま山荘」で狙撃された機動隊員
勝新太郎(下咽頭がん・65歳)……「映画スター」を演じきった男
ダイアナ・スペンサー(交通事故・36歳)……やっぱりシートベルト
金杉忠男(がん・56歳)……下町の「追憶の天才」
伊丹十三(自殺・64歳)……自在な「容器」の華麗な「退屈」
三船敏郎(多臓器不全・77歳)……几帳面な乱暴者の生涯
1998年に死んだ人々
剣晃敏志(汎血球減少症・30歳)……「大食細胞」に敗れた力士
尾嶋 彰(殺人被害・56歳)……パリの空の下,殺人者も闊歩する
ポル・ポト(死因不明・69歳または72歳)……何が悪かった?
秋野 豊(殺人被害・48歳)……タジキスタンの山中で殺された研究者
森安敏明(心不全・50歳)……「豪快」であろうとした青年の軽率な失敗
村山 聖(膀胱がん・29歳)……青春即晩年
村山 実(直腸がん・61歳)……「永久欠番11」の震災体験
横井英樹(虚血性心不全・85歳)……火葬場で転がり出た銃弾
木下恵介(脳梗塞・86歳)……「仕事は楽しいに決まっている」
1999年に死んだ人々
芦田伸介(肝臓がん・81歳)……退職後の『七人の刑事』
スタンリー・キューブリック(心臓発作・70歳)……「才能あるイヤな野郎」
江藤 淳(自殺・66歳)……嵐は人の気持を砕く
寺尾五郎(大腸がん・78歳)……ものごとは見たいように見える
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

92
前巻同様、気になった故人を順不同で読んだ。この年代で、その死を知り、一番ショックを受けたのはテレサ・テン42。80年代初中国で勤務してた時代、まさに中国人と一緒に「白天聴老鄧、晩上聴小鄧」してた。本書を読んで深く印象に残り感慨を覚えたのは自ら命を絶った伊丹十三64と江藤淳66の二人。伊丹十三の精神に深く刻印された”黒船ショック性障害”という見方。「反米的」「憂国的」であった点で三島由紀夫の姿が重なる。保守の論客としての江藤淳の考えには必ずしも同意できなかったが、「海は甦る」以来、氏の作品には魅せられた。⇒2021/12/10

ma-bo

62
90年〜94年に続く第2弾。阪神大震災と地下鉄サリン事件のあった95年からの20世紀最後の5年間。今より少し平均寿命が短い時代とはいえ70代を越える方が少なかった印象。2022/01/13

こばまり

61
1995年というと阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件があった年だが、物故者の顔ぶれを見ると最近のことのように思える。続巻はないものかと思っていたら、なんと来月新刊が(2000〜2003年分)。紹介されるのは本書元祖の山田風太郎氏、ナンシー関氏ら。2021/10/02

山田太郎

56
山田風太郎のあれからの影響というかそのまんまですが、こちらはひとつひとつが長め。だけど、さらっと読める分量だった。死に際は大事だなと思った。50近くなると考えることが多いなまったく。2016/12/09

kawa

42
95年は阪神大震災と地下鉄サリン事件があった年。昨日のことのように思い出すが、25年以上前であることにショック。司馬遼太郎氏(96年)、藤沢周平氏(97年)、江藤淳氏(99年/夏目漱石論は機会があれば…)が文学界関係者、既知のこともあるが興味深い記述も多数。シベリア天皇と呼ばれた浅原正基氏(96年)や、北朝鮮への帰国運動を扇動した寺尾五郎氏(99年)、どちらの方も知らなかったが、その晩年は各々のことに口を閉ざしていた由。人間間違うことが普通なのだが、その心境はどうだったのだろうか。2022/03/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11036762
  • ご注意事項