内容説明
病棟に現れた「天使」
謎めく事件の真相は?
書き下ろし掌編を追加した完全版!!
小児科病棟で相次いで起こった急変。同じ病室の男子三名が、原因不明の嘔吐、喘息発作、不整脈を起こした。
さらに、この病棟で「天使を見た」と語る小学生まで現れ……。
魅力的な「謎」があるにも拘らず、事件解決に動かない天久鷹央。
なぜ? そして事件に秘められた「病」とは? 現役医師が描く医療ミステリー、シリーズ屈指の感動作!
書き下ろし掌編「ソフトボールと真鶴」収録。
<目次>
プロローグ
Karte.01 甘い毒
Karte.02 吸血鬼症候群
Karte.03 天使が舞い降りる夜
エピローグ
書き下ろし掌編 ソフトボールと真鶴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
小児科病棟で相次いで起こった急変。魅力的な「謎」がそこにあるにも拘らず、なぜか事件解決に動かない天久鷹央。事件に秘められた「病」の謎を解き明かす第二弾。炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。同じ病室の男子三名に起きる原因不明の嘔吐、喘息発作、不整脈。さらにこの病棟で「天使を見た」と語る小学生。天才であるがゆえに鷹央がこれまで消化しきれていなかった課題や、それを乗り越えようとする彼女を支える小鳥先生たちが医師として成長していく姿も描かれていて、きちんと向き合って乗り越えたコンビのこれからに期待。2023/11/09
kosmos
17
ペットボトルに入れられた毒によって事故を起こしたと主張するトラック運転手、療養型病棟での輸血パック連続紛失事件、小児科病棟での「天使」の目撃情報など、さまざまな謎に天久鷹央が挑む。最後の事件で登場した中学生たちの行動力に悪い意味でびっくり。彼らもここから変わっていくのかな。2023/12/12
tomtom
15
完全版。あまりこういうのは好きではないけど書き下ろしがあるから読んでしまう。悪ガキたちの優しさがよかった。2024/03/11
NAOAMI
12
天才的な診断力を見せる鷹央だが医療行為は採血すら覚束ないし、コミュ障に至っては徒に敵を増やすばかり。そして患者を看取るという医師としての向き合いも子ども並み。諸々に影響されやすい彼女だが本調子でなくとも鋭い洞察力で瞬く間に謎を解明する。天使とか吸血鬼だとか、妖的な展開も、その枯れ尾花事実を即座に見破る。フォローする小鳥遊の苦労もわかるが、時折、上司からの詰問で受け答えに窮してしまうところは少し頼りない。研修医にまで小ばかにされても、何とかワトソン役・お目付け役をこなしている。二人の仲云々はまだこれからか。2024/01/07
もっぱら有隣堂と啓文堂
8
天久鷹央シリーズの完全新作3作&完全版13作を実業之日本社文庫が7か月間連続刊行する第2弾の2冊め。時点は「スフィアの死天使」から4か月後。プール熱らしきものをどこかでもらってしまったようで寝床でのんびり読む。掃除もわんこの散歩も行けず一日を無駄にしてしまった感半端ないがまあこんなときもある。Karte.01 甘い毒/Karte.02 吸血鬼症候群/Karte.03 天使の舞い降りる夜/書き下ろし掌編 ソフトボールと真鶴。Karte.03は鷹央が医師として成長するエピソード。小鳥先生のアシストが素晴らしい2023/11/23