内容説明
武家社会の中で江戸の裏長屋暮らしだった少年・弐吉は、直参の侍の狼藉がもとで両親を亡くし、札差・笠倉屋で小僧奉公をすることに。逃げ場のない俊吉は、家族を奪った武家への強い恨みを心の底に持ちつつも日々夢中で働いていた。弐吉の一生懸命な働きぶりと持ち前の優しさが伝わり、周囲には少しずつ味方が増えていく。また、札差の仕事を通じて、傲慢で威張ってばかりいるようにしか見えなかった直参御家人のお金事情やそれぞれの家の問題点が見えてくる。「これは、おもしろい」弐吉は、この稼業に一生をかけようと決めた。
その矢先、笠倉屋からの貸金がある札旦那が、辻斬りの嫌疑をかけられて御家断絶の危機に。そうなると貸金は一文の回収もできなくなる。主人から「冤罪を晴らせ」と命じられた弐吉は札旦那の身辺を探り始め……。著者渾身の新シリーズ始動!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
52
千野作品の商人出世物(?)が好物なので楽しく読了。札差で小僧奉公をしている弐吉は侍のせいで両親を亡くしたと思い侍を敵視している。札差として侍と対等に渡り合えると信じて奉公に励んでいる。ある日札旦那の一人が辻斬り強盗の容疑者になってしまい、貸金の回収を案じた番頭に真相を探るよう命じられる。弐吉に敵愾心を持つ手代と組んで捜索を始めるが…。新シリーズの一作目だが登場人物が多いので人物紹介が欲しい気がする。2023/10/27
ひさか
18
2023年10月角川文庫刊。書き下ろし。新シリーズ1作目。札旦那の濡れ衣はらしに奔走する弐吉、そしてお文、お浦との関わりが面白い。弐吉が小僧から手代になったラストが良い。次巻が楽しみ。2024/02/19
koba
2
部下の手柄は自分のもの。そういう生き方をする猪作が憎い。無口だが芯の強いお文がいじらしい。苛めに耐える弐吉が最後に大手柄で溜飲を下げる。痛快無比の一冊。2024/01/07
goodchoice
1
一人の少年が札差の小僧となり苦労の末、成り上がっていくという筋立てだが、少々無理筋の感もある。2024/06/22
ぬる燗
1
江戸時代の捕物帖等作品も多数あり、今回のものはシリーズ第一巻のようだ。 軽い読み物として手に取ったが、引っ掛かりもなく、サクッと読めストーリーも面白い。チョット無理筋かもと思わないでもないが、気分転換にちょうどいいかも。2024/02/19
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