内容説明
人間・孔子が生きている
孔丘は家族の情愛に恵まれずに育つが、学問を愛する青年となる。徳と礼で民を治める理想を磨き続けた儒教の祖の一生を描く大河小説。
※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
27
孔子の生涯を描く。名は知られていても人となりなどは見えてこなかっただけに、短気だったり、家庭が上手くいかなかったりと人間臭さが垣間見える。仲由や子開が弟子入りする過程は勝海舟と坂本龍馬のよう。知らない人から敬遠されながらも、会えば魅了される孔子の後半生に期待を持ちつつ下巻へ続く。2023/11/25
Tomoichi
15
文藝春秋に連載されていて読んでいたのに、突然オール讀物に移動。こういうの本当にやめて欲しい。2024/10/20
mikio
11
「不惑」その惑いとは、自身の生きかた、あるいは心理についていっているのではなく、思想の基底となるべき文化形態が、夏、殷、周とあるので、なにが最善であるのかを模索してきたことをいい、四十歳になって、周文化がもっともすぐれていると、確信したことにほかあるまい。(P298)より具体的な自信というか確信が秘められていたのですね。2024/05/20
新父帰る
10
2023年10月刊。著者の作品は以前、10種くらい読んだ。この書の前に三国志が出ていたが、待望の孔子の本が出たので早速手に入れた。孔子に関する記録は沢山あるが、この書の人物像はよく書けていたと思う。しかし、ストリーの転換をもう少し、丁寧にと思った。例えば、周都で老子に孔丘は弟子入りするが、6年間の留学の割合には老子と孔丘の対話の記述が少ない。実際、どのような記録が残っているのか調べてみたい。この点少し残念だった。全体的にボリュウーム感がなかった。これから下巻を読み進めるが、どのような展開になるか楽しみだ。2024/03/20
Hatann
10
儒家の始祖とされる孔丘の生涯を小説化した。神格化した孔子ではなく、失言もあり失敗もあった孔丘という人間を描く。孔丘は、権力者の言葉が法となり、矛盾する礼が失われることを危惧する。すべての官民が詩と書を学ぶことにより、礼を知ることで理想的な国家を維持できると考え、自らも常に学び続けた。立志することで家族との軋轢と生み、貴族層にも取り上げられず苦悶しつつも、成周に留学して、周王朝の元司書から学ぶことで確信を得る。史記に記された老聃との邂逅を否定しつつ、先生(老子)からの学びが不可欠の体験だったことを示す。2023/12/28
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