内容説明
「別式女」は実在した。大名家の奥を守る女武芸者のことで、御三家や仙台藩などの大藩には置かれていたが、万里村巴が仕えるたった5万石の雨城藩に6人もいるのは珍しい。なかでも巴はその統率者たる「別式女筆頭」なのである。その任務は多岐にわたり、藩主の妻女の護衛のほか、家臣の子女への剣術指南なども行った。だが巴は、剣の腕は立つが料理はからっきし。反対に夫の音次郎は、上屋敷の賄い方助として料理の腕をふるっているのだ。そんな「凸凹夫婦」の万里村家には、皮肉屋の父や楽天化の息子もいて、まったくもって目が離せないのだ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
55
文庫書下ろしの時代小説の大海原で常に途方に暮れているわたくしですので読んでくださった上でのご紹介ほどありがたいものはござんせん!お名前はかねがねですが初めましての青葉さん。さる大名家のお抱え女武芸者とその婿殿(賄い方)に一人息子と隠居父の四人家族を巡るホームドラマinお江戸。雨も降る。風も吹く。でも働いて心づくしの夕餉を囲めばいつしか雨は慈雨に風は薫風に。長閑なのに物足りなくはない。だってそれが「暮らし」だから♪本作の視点人物は「母上」本人だが表題は息子目線・・ということは、あのカシコかわゆい彼の続きが?2024/11/02
はつばあば
53
息子という者はこんなにも愛おしい者なのか・・・。大名家の奥を守る女武芸者の母親、料理はからっきしダメでも、父親が最高の料理人。大殿様に仕えはしているが上に上がれない、そんな婿殿が歯がゆくてならないじい様。そして・・賢いんでしょうね、この息子君。久しぶりに堪能しました時代モノ。勿論2巻に進みます2025/01/20
kei302
43
丹地さんの表紙カバーイラストを見て手を出す。三國青葉さん、新人さんかと思ったら、ほぼ同世代の作家さん。「別式女/べっしきめ」男性優位が顕著な江戸時代の武家社会、大変な役目だと想像できる。万里村巴、上総国五万石雨城藩別式女筆頭の凄腕。夫は料理上手だが給金は自分で使ってしまい、あまつさえ、息子のお小遣いにまで手を出すしまつ。気苦労は色々ありますが、まあまあ幸せそうです。続編も出るようなので楽しみ。(あまつさえ、使ってみた)2024/10/31
ユエ
18
今で言うとバリキャリなのだろうか、初めて知ったが、大名の奥方やお子を守る女武芸者を別式女というのだそうな。本作の母上は、その筆頭たる万理村巴。入婿旦那の音次郎は金鍔眼に団子っ鼻、おまけにデブで小遣いの無心ばかりしてくるという大分アレな男(ついでに舅とも犬猿)だが料理の腕は抜群で、一粒種の誠之介は滅法可愛い。そんな一家の日常が春から夏へとツラツラ書かれるのだが、オチなし盛り上がりなし、伏線なのかと思った誠之介の本性?も特になし。ということで早々に記憶から消えそうだが笑、ストレスフリーにつるりと読了。2025/01/28
ごへいもち
14
美味しい物を食べさせてくれる家族がいて良いなぁ2024/12/10
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