ピアノの誕生・増補版

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ピアノの誕生・増補版

  • 著者名:西原稔
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 青弓社(2023/09発売)
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  • ISBN:9784787273314

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内容説明

ピアノが誕生して楽器として進化する背景には産業革命があった。技術革新と市場開拓が相互に影響して商品として普及し、富の象徴としてだけではなく「繁栄する未来」を予見させもした歴史的な過程に迫り、ピアノと近代産業化の関連性を丁寧にひもとく社会史。

目次

第1部 ピアノの誕生――楽器の向こうに「近代」が見える

はじめに

第1章 戦争と革命が発展を促す
 1 歴史のなかのピアノ
 2 イギリス・アクションの勝利
 3 新しい時代の幕開け――スタインウェーの登場

第2章 産業の楽器
 1 ピアノ一台、部品は三千八百
 2 技術と美意識との葛藤
 3 ピアノ三国志

第3章 ヴィルトゥオーソの時代
 1 ピアノ製造に乗り出す
 2 エチュードの思想
 3 ペダルに託したロマンティシズム

第4章 ピアノという夢
 1 家族の肖像
 2 『乙女の祈り』
 3 消費される音楽

第5章 ピアノ狂騒曲
 1 ピアノ教師受難の時代
 2 ヴィルトゥオーソ養成ギプス

第6章 自動楽器
 1 変貌しつづける楽器
 2 機械じかけの音楽
 3 コンサート・ホールからの解放

第7章 日本のピアノ
 1 明治の洋楽
 2 国産化への情熱
 3 西洋という理想

おわりに

あとがき

第2部 近代産業とピアノ――ベートーヴェンとリストの苦悩

第1章 ピアノと鉄の文化
 1 鉄のフレームと音響
 2 鉄のフレーム略史
 3 鋳鉄のフレームの工法
 4 フレームの形状
 5 ピアノの鉄の材質
 6 手作りフレームと自動製造のフレーム

第2章 ベートーヴェンとピアノ

第3章 フランツ・リストと十九世紀社会
 1 リストという現象と十九世紀ピアノ文化
 2 サロン文化のヨーロッパとリスト
 3 リストの社会改革の思想と音楽
 4 ドイツ国家主義とリスト

第4章 十九世紀社会の音楽――労働と消費、家庭と国家の力学のなかの音楽
 1 十九世紀市民階層と音楽への消費
 2 市民社会形成の指標としてのピアノ文化と合唱文化
 3 十九世紀教養市民階層での価値観――歴史意識と宗教趣味
 4 クラシック文化と大衆化文化とサブカルチャー――ストック価値とフロー価値
 5 家庭と国家の力学のなかの音楽

第5章 兼常清佐と西洋音楽
 1 兼常の西洋音楽に関する基礎知識と教養
 2 兼常のベートーヴェン論と音楽史解釈
 3 ピアノの音の本質を求めて

初出一覧

増補版あとがき

解題 ピアノは人造人間の夢を見るか?  許 光俊

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

柳 真佐域

10
ピアノの構造が知りたくて選んだ本だったが、どちらかというと作曲家とピアノの関係についての話が主でピアノ図鑑の方が得るものは大きかった。ピアノの普及は歴史的に見て、裕福な家庭がその象徴としてピアノを購入することからということがわかり、その家庭の女性達は皆ピアノを習わされたということだったが、その割には女性の作曲家を知らないので不思議に思った。時代から女性よりも男性が強かったのだろうが、才能のある女性作曲家も必ずいたはず。大量に新譜が生産され、廃棄された時期もあって、その中に名曲もあったのではなかろうか。2018/05/29

0
凄く良い本でした。ピアノの発展を、時代の流れ、そこで変化する人々の趣向から追って書かれた文献はなかなかないので。ピアノについて、新しい視点から歴史を知ることが出来、とても勉強になりました。2014/07/14

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