〈こっくりさん〉と〈千里眼〉・増補版 - 日本近代と心霊学

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〈こっくりさん〉と〈千里眼〉・増補版 - 日本近代と心霊学

  • 著者名:一柳廣孝
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 青弓社(2022/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784787292575

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内容説明

1970年代のオカルトブームによって広く知られるようになった心霊現象の数々。現在では多様なメディアがこれらのアイテムを物語に取り込み、消費している。では、これらを束ねる「心霊」という解釈格子は、はたしてどこからやってきたのだろうか。

明治半ば以降、一気に広まった不思議な遊び「こっくりさん」、人々を熱狂させた催眠術、透視をめぐる論争を巻き起こした千里眼事件を掘り起こし、それらに通底していた心霊学と科学の相克を描き出す。

「信仰」「迷信」「心」と「科学」のあわいに発生して、多くの人々の耳目を引いた明治期のオカルト現象から、日本の近代化の一側面を照らす怪異研究の古典を復刊。千里眼事件の再検討や大正期の催眠術の受容、「こっくりさん」の戦後を扱った論考を増補し、東雅夫氏による解説も所収する。

目次

第1部 〈こっくりさん〉と〈千里眼〉

はじめに

第1章 明治のこっくりさん
 1 「こっくりさん」の流行
 2 近代心霊学の誕生

第2章 催眠術と「煩悶の時代」
 1 催眠術の流行
 2 「煩悶の時代」
 3 明治というカオス

第3章 千里眼と科学
 1 最初の千里眼
 2 心霊学の流行
 3 長尾郁子と「丸亀事件」
 4 葛藤――千里眼と科学
 5 「迷信」という封印

第4章 科学のゆくえ・心霊学のゆくえ
 1 大正期以降の心霊学
 2 ニュー・サイエンス
 3 おわりに

参考文献

あとがき

第2部 その後の〈こっくりさん〉と〈千里眼〉

第1章 千里眼は科学の分析対象たりうるか
 はじめに
 1 今村新吉「透視に就て」の問題機制
 2 千鶴子の透視実験と各学問ジャンルの対応の諸相
 3 念写の登場と京大光線の発見
 4 千里眼は科学の分析対象たりうるか
 おわりに

第2章 催眠術と霊術のあいだ
 はじめに
 1 雑誌「心理研究」の位置
 2 「心理研究」応答欄と催眠術
 3 隆盛する霊術へのまなざし
 4 噴出する福来批判
 おわりに

第3章 「こっくりさん」の変容
 はじめに
 1 「こっくりさん」の生成――一九七〇年代のブームまで
 2 「こっくりさん」の変容
 3 少女文化としての「こっくりさん」
 おわりに――筆仙・?仙・「こっくりさん」

初出一覧

増補版あとがき

解説 いま蘇る「一柳世界」の原点 東 雅夫

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

23
近代/科学/唯物論が排斥したスピリチュアルなものを科学的な装いのもとで探究する近代の鬼子、それがニューサイエンス2022/05/30

saladin

3
”こっくりさん”、”催眠術”、”千里眼事件”。これら明治期のオカルト現象に通底していた心霊学と科学の相克を描き出し、日本の近代化の一側面を照らし出した著作。”「近代」は、新たなパラダイムのもとに着々と整備されていった。…しかし、その結果「近代」では回収しえないさまざまな「残り物」への欲望が、人々のなかでくすぶり続けることになる”。明治期のオカルト現象は、「科学」が万能の思考装置と化していく中で、そこからはみ出し、排除されたものたちの受け皿となったのだろう。2021/04/13

わ!

0
文明改革直後の日本…こっくりさんが、洋学とともに日本に入ってくる。19世紀、世界をリードしている国、イギリス…このイギリスでも、同様に心霊学なるものの一大ブームが訪れる。有名なところでは、あのシャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイルが熱狂的な心霊学マニアだったことは、ご存知の方も多いだろう。この本には、今書いたような、こっくりさんの歴史的な内容なども書かれているが…そもそもそのようなモノにどうして人が魅せられ、ブームになっていったりするのかが、詳しく書かれているのでした。2010/07/31

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