内容説明
星をたたえ、暗く冷たく夜は燃える。
かくして林檎は奪われた。
〈血の祭典〉が明け、中央連盟の面々を襲ったのは、第二の衝撃。
シュテルン家当主脅迫事件を受けて、ロロ・リングボルド率いる第一指揮が大規模掃討戦に向けて動き出す。
その裏で独自に行動を開始するのは、第七指揮の粛清官たちだった。
一堂に会するは、完璧を目指す者。贖罪する者。弾劾される者。
義を貫く者。過去に眠る者。復讐者と、殉教者。
そして夢に堕ちた星を掬い上げる、当代の夜。
「リオ。最後に、ひとつだけ教えて」
「あなたが報せをくれなかったのは、わたしのことなんて、とっくに忘れてしまったから?」
「そうだとしたら。わたしも、あなたのことは永遠に忘れるわ……」
月の浮かばぬ、その日の晩に。
たったいちどだけ許された後夜祭に、最後の炎が灯される。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
25
〈血の祭典〉が明けて、連れ去られた歌姫たち。シュテルン家当主脅迫事件を受けて、ロロ・リングボルド率いる第一指揮が大規模掃討戦に向けて動き出す第四弾。結果だけを見ればものの見事にしてやられたメンバーたちや、不在だったボッチを外す形で編成される粛清戦。そんな措置に当然納得いくわけもなく、密かに独自に行動を開始する第七指揮の粛清官たち。ライラとクラマ、シーリオ、シルヴィたちそれぞれに負けられない因縁と激闘があって、その決着自体は持ち越しでしたけど、大切なものを取り戻してみせた結末にはぐっと来るものがありました。2023/10/17
Pustota
5
事件のあと、歌姫を取り戻すために敵地へ。それぞれの絆や因縁が絡まりあい、途中からは熱いバトルの連続で最初から最後まで楽しかった。正直初登場時はシーリオがこんな好きになると思ってなかった。まだまだ謎も残り、この作品の世界にますます惹かれた3・4巻。また続きが読めるのを楽しみに待っています。2023/10/25