内容説明
書き下ろし作品が本屋大賞にノミネートされたことで、作家としての評価が少しずつ高まってきていた李奈。そんなある日、岩崎翔吾絡みで因縁のある出版社、鳳雛社の編集者から新作執筆のオファーが舞い込む。数多くの作家が代表作を発表してきた文芸ひとすじの老舗からの誘いに、喜び勇んで会社を訪ねる李奈だったが、そこから思いもよらない事件に巻き込まれていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
76
大ベストセラー作家の元編集者を貶めるノンフィクションの依頼を受けた李奈。不本意だけど彼のその後が気になり取材を受けることに。今回はシリーズの一区切りとなる一冊で、読み応えもあった。お手頃なお涙頂戴でなくても、人の心を揺さぶる作品は生まれるものなんだ。李奈の初めての純文学作品「十六夜月」読んでみたいな。2024/11/29
coolgang1957
48
驚きました。人が死にませんと見開き表紙に書いてます。ウイングスーツでアリバイ工作もしません🤣そんなこと松岡さんにあるのか…いやあるでしょQ😓 空気を読まない読めないこの話の編集者は商業主義に毒されてますが、売れる本は結末を悲惨なものだっていうのは僕としては疑問符が浮かびますね。ハッピーエンドのベストセラー作家さんいっぱい居ます、その方が好きですけど〜☺️今回コメディですが奥田英朗さんとか荻原浩さんとかの方がこの話上手く書けるんでは?😆余計なお世話ですね。2024/04/26
えみ
46
驚くのはその狡さ。信念にほんの一ミリでも狡猾さが滲み出ると、異常な嫌悪を感じてしまう。登場人物に命を与えるのか操り人形にするのか…作家が創造した「生命」を編集に関わる者達がどう接するのか。事件絡みではなく、本業の作家としても世間に認知され始めた杉浦李奈だったが、またしても厄介事に巻き込まれてしまう。原稿執筆を依頼された編集者の異変。そしてその編集者に纏わるゴーストとしか思えないノンフィクション本の執筆依頼。誰の悪意が、殺意が、思惑が、次々起こる厄介な事件を引き起こしたのか。李奈の成長が真相を導き出す。2025/09/24
坂城 弥生
40
人の死なないミステリのブームはそういう理由だったのか〜私が人の死なないミステリって知ったのは松岡さんの作品だったなぁ。2024/01/09
Shun
40
シリーズ9作目。本屋大賞ノミネート後の作家李奈の躍進が目覚ましく、売れない作家だった頃の話が懐かしい。これまでに文学が関わる難事件を警察より早く解決に導いてきた主人公であるが、本業の小説家として成長を描く場面が増えてきました。そして今回、自身の経験と成長の結晶である文学小説を書き上げた彼女は文芸においての誉れ高い老舗出版社からのオファーに意気揚々訪れるも、思わぬ案件に巻き込まれていく。近年流行りの容易に読めてお手軽に泣ける作品量産へのアンチテーゼか、この状況は読書時間減少やコスパ志向とも関係が深いようだ。2023/08/29
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