内容説明
日比野浩光は山奥で迷子になった。やっと明かりのついた家を見つけると、心霊現象を取材に来た三人の男女が夕食の最中で、ここは「幽霊屋敷」なのだという。酒を飲んで、目覚めると、朝。「幽霊屋敷」と別の家が がる長い地下廊下の扉のところで、昨日来るはずだった男が血を流して死んでいた。臨床犯罪学者・火村英生が鍵のかかった扉の謎を華麗に解き明かす!(表題作) 表題作他全4編を収録した本格ミステリ作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうじろう
8
作家アリスシリーズ19作目。全4編。 遂に念願のアリスが活躍する「天空の眼」は推理作家としての面目躍如で非常に新鮮だった。 表題作は中編ながら出色の出来映えで、仕掛けとトリックが秀逸でした。 最後「モンティ・ホール問題」をベースにした作品が出てきたのには驚いた。2024/02/04
花嵐
7
★★★★☆ 再読。今回は新装版で。四編収録された作家アリスシリーズ短編集。短編集なのでどの話も短いわけだが、それでも作家アリスシリーズを味わうという点での魅力は損ねない一冊。特にお気に入りは「ロジカル・デスゲーム」なんだが、今回は「天空の眼」に注目して読んだ。いつもなら火村が解決する事件をこの話ではアリスが解決してしまうんだが、その顛末が滑稽でありながらもどこかほろ苦い。全体的に作家アリスシリーズの入門編としてオススメできる。2024/02/10
きらら@SR道東民
6
安定感のある面白さでした。驚いたのは「ロジカル・デスゲーム」の中で、北海道の河東郡音更町が出てきたことです。音更(おとふけ)はまさに私が住んでいる町ですから。音更って、本当に素敵な響きですねって、褒めて頂けてちょっと、嬉しかったです。2023/09/10
すずろ
5
最後の『ロジカル・デスゲーム』がSHERLOCKのStudy in pinkみたいでドキドキした!探偵が命懸けのゲームするのはいいよね。 『長い廊下のある家』は火村先生の茶目っ気がアリス先生に対して炸裂しててキャラ萌えオタクとしての私が歓喜してた笑 『天空の眼』については、いつも推理を外してるアリス先生が本当に事件を解いたってことをもう少し明確に描写して欲しかった笑 ちょっと不安…笑2024/03/04
やらい
4
安定の火村・有栖川シリーズの短編。ロマンチック溢れる「雪と金婚式」と脳のアハ体験(?)できる「ロジカル・デスゲーム」が特に面白い。ロジカル~は個人的な短編ベストスリーに入るかも。2023/10/07